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女性“だけ”が定額で参加し放題…「婚活パーティー」サービスのカラクリ

雨宮寛二(あめみやかんじ:ジャーナリスト)

2019年07月30日 公開 2019年07月30日 更新

 

女性を「低価格、定額」で優遇すればビジネスはうまくいく?

ただ、婚活パーティーのサービスは、他のサービスとは少し異なる特性を持っています。

このサービスは、女性だけを月額980円という安い定額料金で参加し放題にしていますが、男性はサブスクではなくアラカルトを採っており、1回の参加料金が3500円に設定されています。

なぜ、このような異なる料金システムを採用しているのでしょうか。それは、女性の参加数が増えることで男性がこのパーティーに参加する価値が高まるからです。

この法則が当てはまる時、増加する女性を優遇して参加料金を低く設定し、価値が高まる男性の参加料金を高く設定すれば、このサービスには参加者が集まりビジネスとして上手くいきます。逆に設定すると、ビジネスとして立ち行かなくなります。

なぜこのようになるかと言うと、少し難しい言葉を使えば、女性と男性のそれぞれのグループの間にネットワーク効果が働くからです。ネットワーク効果とは、顧客が増えることでネットワークの価値が高まり、顧客にとっての便益が増すことを言います。

これを携帯電話で見れば、話すという目的で加入者が増えることになれば、携帯電話というネットワークの価値が高まり、加入者にとっての便益が増すということが分かります。婚活パーティーの場合、昔から女性を多く集めることが課題でした。女性を低額のサブスクで惹きつけ集客し、男性の参加意欲を高めるわけです。

ある程度ビジネスが軌道に乗ったところで、女性の参加料金を見直すことで、女性の数を調整することも可能になります。

例えば、女性の参加数が増え過ぎた場合には、参加料金を上げれば良いのです。実際この婚活パーティー会社の女性の参加料金は現在月額980円ですが、以前は月額500円と破格に安い料金に設定されていました。

このように、この婚活パーティーのサービスは、女性に特化した低額のサブスクを導入することで、ネットワーク効果を上手く働かせているのです。

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ファッションから法人向けまで…サブスクが席巻する時代

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