1. PHPオンライン
  2. 仕事
  3. 「なんでも先送り」が治らない人の根本的な“勘違い”

仕事

「なんでも先送り」が治らない人の根本的な“勘違い”

佐々木正悟(作家/心理学ジャーナリスト),大橋悦夫(実業家)

2021年01月05日 公開 2022年12月21日 更新

 

「とりあえず片づくこと」からやってしまう愚

「繰り返しやっている仕事がやりやすい」ということは、裏を返せば「はじめてやる仕事や、たまにしかやらない仕事は、時間もかかるし、達成できるかどうかの見通しもつきにくいので、取り組みにくい」ということです。

そこで、たいていはこういうことになります。

・毎日やっているメールチェックは、優先度が低くても、真っ先に手がける
・締め切りが迫っている企画のことは、毎日気にかけているのだけれども、毎日のように、つい先送りにしてしまう

最初は気になる程度でも、先送りしているうちに不安が大きくなります。そして最後は、ふたを開けるのが怖くなってくるのです。

優先順位をつけまちがえたまま毎日を送るというのは、とても恐ろしいことです。

 

「見通しが甘い人」の考え方

よく「それならだいたい3ヶ月あれば終わります」と言ってしまう人がいます。もちろん、嘘を言っているつもりはないのですが、実際には予定どおり終わりません。見通しがかなり甘いのです。

そういうことを口にする瞬間に、電卓をたたき出す人はまずいません。計画は、非常に単純な暗算によって立てられています。

たとえば、今が9月上旬だとして、「だいたい3ヶ月あれば」と言うとき、ただ単に9に3を足している人が、意外なほど多くいます。9に3を足して12月を締め切りと考えてしまうわけです。

しかし、聞いている側は「9月、10月、11月の3ヶ月でやってくれるもの」と考えてしまっている可能性があります。これはじつにかんたんな誤解なのですが、私自身がこうした行き違い(執筆期間は4ヶ月弱と思っていたら、編集さんは2ヶ月ちょっとを想定していた)を経験したこともあります。

それから、3ヶ月を90日、ひどい人になると100日と考えてしまう人もけっこういます。休みなく、3ヶ月ぶっ通しで働けば、たしかに90日くらいになります。しかし、そんなに働きたい人はあまりいないでしょう。まして100日となれば、それに10日も足すことになるわけです。

現実には、1ヶ月の中で実際に「働く日数」は25日くらいのもの。ですから、100日は3ヶ月ではなくて、4ヶ月に当たるのです。

こういうことを深く考えずにいると、3ヶ月目の半ばくらいにさしかかったとき、締め切りまでにやらないといけないことが信じがたいほど残っていて、唖然とするわけです。

 

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×