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社会

15歳の天才発明家が実践する「イノベーションに必要な5つのステップ」

ギタンジャリ・ラオ(著)、堀越英美(訳)

2021年12月29日 公開

15歳の天才発明家が実践する「イノベーションに必要な5つのステップ」

10代の若さで「水道水から鉛を検出する装置」「鎮痛薬依存症の早期診断装置」「いじめ防止アプリ」を次々と開発し、アメリカの各方面から高く評価されるギタンジャリ・ラオ氏。

「イノベーションとは何か?」について、イノベーションとインベンションの違いやイノベーションの定義、さらにはイノベーションに必要な5つのステップについて解説する。

※本稿は、ギタンジャリ・ラオ:著、堀越英美:訳『ギタンジャリ・ラオSTEMで未来は変えられる』(くもん出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「イノベーション」の真の意味を理解しているか

私たちは真の意味でイノベーションを理解しているでしょうか? きっと読者のみなさんも、ニュースや企業広告でイノベーションという言葉を耳にしたことがあるでしょう。知っているつもりでも、実のところ「待って、本当に私わかってる?」とうすうす感じている言葉のひとつです。

イノベーションとは、問題を解決するために、既存のプロセスやツールをまとめて改善したり、強化したりするプロセスのことです。そのプロセスは「統率のとれたカオス」そのものですが、カオスの中から生みだされたものがイノベーションとなります。

似ているように思われる科学的方法についてお話ししましょう。科学的方法は基本的に、疑問を見つけ、仮説を立て、その仮説を検証し、データをまとめ、結論を出し、それをくり返していくというプロセスを経るものです。科学的方法を学校で習ったときには、とてもかっこいいと思いました。

実験をしたり結論を出したりすると、スッキリします。でも、私はそれ以上のことを望んでいました。その結論を何に使うかを知りたかったのです。科学のプロセスは、疑問に答えを出すものです。

一方、イノベーションのプロセスは、その答えを使って自分や世界を助け、だれかを笑顔にすることさえできます。知らず知らずのうちに、あなたはこの双方を毎日使っているはずです。

ピザを電子レンジで温めるかオーブンで温めるかを考えるときも、画期的な技術を生みだすときも、あなたは生活を革新するアイデアについて考え、疑問に答え、それを実践しているのです。

 

「イノベーション」を定義する

あなたが私のようなタイプの人なら、定義をはっきり書きとめておきたいと思っているかもしれません。イノベーションとは何か、定義するならこうです。

「問題を解決するために、新しい何かを、作りあげたりさらによくしたり学習したりするプロセス」

あとは、何を作りあげたいか、何を学習したいかを決めればいいのです。しかし、この定義にはキーワードがあります。それはプロセスです。1にプロセス、2にプロセス。つまるところプロセスにつきます。

これから一緒にイノベーションのプロセスをとりくんでいくことで、あなたが望むどんな高みへでものぼっていけるようになります。その後、コンテストに出ていい結果を残し、フィードバック、助成金、奨学金を得る方法について説明しましょう。

一緒にプロセスをたどっていく中で、既存のプロジェクト管理ツールや専門的な発想ツールに出くわすかもしれません。私はこれらを10代が理解し、活用できるように応用してとりいれることにしました。フィッシュボーン・チャート、KJ法、マトリクス法などがその一例です。

これらはビジネスの現場で日常的に使われているものですが、イノベーションのプロセスで使ってみて、私たちだってこれを使わない手はない!と感じました。なぜこのような概念が学校で必修ではないのか、まったく理解できません。ともあれ、私がまずやってみることにしたのです。

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「イノベーション」と「インベンション」の違い

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