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県境マニアの聖地! イオン施設内に引かれた境界線のややこしい裏事情

田仕雅淑(たし・まさよし,イラストレーター)

2022年07月12日 公開

屋内だけでなく、駐車場にも県境のラインが引かれている駐車場にも引かれた県境ラインがそのややこしさを物語る

駅や商業施設を貫通する境界線、3つの県が集結した「三県境」...。世の中には知られざるマニアックな県境が少なからず存在する。

100を超える県境スポットを実際に訪れ、そのややこしくも興味深い裏事情とともにまとめた書籍『県境マニアと行く くるっとふしぎ県境ツアー』から、全国的にも珍しい「イオンモールの中にある県境」についての一節をご紹介したい。(写真:田仕雅淑)

※本稿は、田仕雅淑著『県境マニアと行く くるっとふしぎ県境ツアー』(技術評論社)を一部抜粋・編集したものです。

 

イオンのフロア内に県境?

ショッピングモールの床に派手な装飾で県境のラインが引かれている(筆者による絵)
ショッピングモールの床に派手な装飾で県境のラインが引かれている(筆者による絵)

県境を巡っていると、ふとこんな疑問が浮かぶようになる。「もし隣り合うお店が違う県に建っていたら、一体どうなるのだろう?」県境に関心をもつ多くの人が思うことではないだろうか。

隣り合うお店が違う県だとしたら、電気や水道はどちらから引いているのか? ゴミも別々の自治体に出すのか? 電話番号は? 税金は? 等々、考え始めるとさまざまな問題が出てくる。県境というものはこのような面から見るとなかなか厄介である。

隣り合っているだけなら個々のお店が対処すれば良いが、それが一つの施設だとしたらどうだろう。諸問題をクリアする労力を考えると、県をまたいで施設をつくるというのはできるなら避けたい、というのが事業者と行政の本音かもしれない。実際、県境をまたいでいる施設は全国を見渡してもそれほど多くはない。

そう、多くはないだけで、ない訳でもない。ここ「イオンモール高の原」は、例外的に県境をまたいだ大型商業施設である。

近鉄京都線高の原駅を降りて跨線橋に出ると、すぐに巨大な建物が目に入ってくる。イオンモール高の原はショッピングモールとしては珍しく、駅から徒歩1分という好立地にある。敷地面積4万7千㎡、延べ床面積12万5千㎡を越え、地下と屋上駐車場を含めた全6層に百数十店舗もの専門店が入り、広大なフードコートや映画館もある一大商業施設だ。

大きな建物の中に県境があるというだけでも希少だが、ここがマニアの間で「県境の聖地」ともいわれる理由はそこだけではない。なんとフロアに京都府と奈良県の府県境が描かれているのだ。それもメインフロアだけではなく、地平と屋上駐車場も含めた全フロアにである。

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イオンの中に境界線が引かれた理由

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