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自ら「やる気をコントロールできる人」が成功する

2012年04月11日 公開

小笹芳央(リンクアンドモチベーション代表)

『1日3分で人生が変わる セルフ・モチベーション』より 》]

 私は常々、若手ビジネスパーソンや学生に「自分探し」よりも「自分創り」の重要性を説いてきました。なぜなら、どこにも存在しない「本当の自分」を探すことに躍起になって、肝心の「自分創り」を怠っている若者が増えていると感じたからです。

 拙著『1日3分で人生が変わる セルフ・モチベーション』では、今の自分に少なからず不満や不安を抱える人向けに、「自分創り」に効果的なさまざまなトレーニング・メニューをつめ込みました。

 ・これまでの凝り固まった“自分”をほぐす〔ストレッチ編〕
 ・捨てるべき固定観念や週間と決別する〔ダイエット編〕
 ・変化に向けて心と体を温める〔ウォームアップ編〕
 ・隅々まで鍛え上げる〔パワーアップ編〕
 ・新たな自分創りを継続する〔クールダウン編〕

 それぞれ10項目のメニューがありますが、各チャプターは「3分で読める」分量に凝縮しています。

 「ちょっと億劫だな」と思っていた方、「もう充分でしょ」と思っていた方も、今一度重い腰を上げて、自分創りのトレーニングを始めてみましょう。そうすれば、新しい自分と出会えることうけあいです。

ストレッチに入りましょう

 まず、本格的なトレーニングを始める前の「準備運動=ストレッチ」をしていきます。

 運動前に体全体を伸ばしてほぐす、ストレッチ体操と同じように、あなた自身をほぐしていくことから始めましょう。

 知らないうちに凝り固まってしまった、あなたの視点や価値観や常識などを、少しずつ溶かしていきます。そして、何気なく過ぎていく日常、自分でも気付いていなかった想いなどに向き合い、ほぐしていくことで、新しい自分へと変化していくための準備が整っていきます。

 読む前に、構える必要もありません。

 自然体のあなたで、ストレッチを始めてみましょう。

(ここでは、10項目のうち2項目をご紹介します:WEB編集担当)

 

残された時間を計算せよ

 もし、あなたが今日、25歳の誕生日を迎えたのだとしたら。

 30歳まで、何週間あるか、あるいは何日あるか、具体的に計算したことはありますか?
 定年を迎える65歳までは?
 そして、極端なことを言えば、死ぬまでにあと何日、何時間残されているのでしょう?

 人はなんとなく「25歳くらいには英語がベラベラになっていたい」「30歳までに転職したい」「40歳までに起業したい」というように、漠然と将来を思い描いていたりするものです。しかし、実際にそれが何日、何時間ある、というところまで具体的に自分に残された時間を計算したことがある人は、そう多くないはずです。

 25歳の誕生日。30歳までは、5年間、うるう年も含めると1826日です。こう聞くと、すごく時間がありそうですよね。

 では、たとえば5年間で英語をモノにしよう、と一念発起したとします。諸説ありますが、英語学習で一定の成果があるのは、学習時間が2000時間を超えたときだといいます。だとすれば、5年間、1日も休まず毎日1時間勉強しても、その時間数に達することはありません。加えて毎日1時間、とは、簡単そうに聞こえて、その時間を確実に取り、継続するのは至難の業であることは、皆さんも体験的にご存じではないでしょうか。

 あるいは5年間、1週間に1冊、本を読むと決めたら。これも実際には大変なことですが、約260冊。現実的に考えて、1カ月に1冊ならば、60冊。60冊とは、90センチ幅の本棚で2段に満たない数にすぎません。

 もう少し、モノサシを先にのばしてみましょう。たとえば、25歳の人が60歳になるのは35年後。海外旅行が大好きで、1年に1回、1カ国訪れるとしたら、35カ国訪問できることになります。しかし、数え方がいろいろありますが、国の数は世界に200前後あります。だとすれば、全体の6分の1程度の国しか見られないのです。

 毎日、毎週、毎月、毎年やることがあと何回できるのか。このような具体的な数字に落とさなければ、「時間は有限である」という当たり前の事実に気付くことはできません。

 私自身の経験で言えば、初めて時間の有限性を突き付けられたのは、高校時代のラグビー部のチームメイトの死でした。昨日まで、一緒に練習していたのに。その喪失感はとても大きなものでした。

 より身近に意識したのは、31歳で父を亡くしたときです。自分の時間も永遠ではない、必ず終わりがあるものなのだという事実がより現実的になりました。

 とはいえ、いつ、どこでその瞬間が訪れるのかは誰にもわかりません。死は確実にすべての人に訪れますが、自分で自分の寿命を知ることはできないし、長さを自由に操ることはできないのです。

 しかし、私たちは、時間の“濃さ”を変えることは可能です。ぼんやりと過ごしていても1日。本を読んで過ごすのも、同じ1日。外に出て刺激的な人に会うのも、同じ1日。もし、今の自分の生活がなんとなく物足りず、満足できない、変化を起こしたいというのであれば、時間の有限性を理解し、1分、1時間、1日を大切に、自分にとって意味のある時間を過ごすことが原点になります。

 時間が有限だと思えばこそ、自分が成し遂げたいことに優先的に取り組まなくてはいけません。何歳までになりたい自分になろうとしたら、毎日、何分、これに時間を費やさなければならない。これをあと何歳までに何回やろうとしたら、何日に1回やらなければならない。残された時間を計算することは、そういう事実をとても具体的に私たちに握示してくれるのです。

 さて、あなたは何年後にどんな自分でありたいですか?
 そのために残された時間は、どれくらいあるのでしょう?
 毎日、毎月、毎年、何をしたいですか? それは何回できますか?

 

常識のメガネを外せ

 信号の「進め」の色を聞かれると、誰もが「青」と答えるでしょう。「青だから渡ろう」。そんな風に日常でも使っています。絵に描かれた信号も、文字通り青色で表現されていることがほとんどです。

 しかし、実際の信号をよくよく見ると、間違いなく「緑色」です。アメリカやフランスでは、あの色を「緑」と表現しているくらいです。私たちはふだん言葉として「青」と言っているので、絵に描くときも、迷わず青色を使ってしまうのです。

 では、虹は何色ありますか? これにも私たち日本人は「7色」と答えます。しかし、アメリカでは6色、シベリアでは2色、と答えるのだそうです。そもそも、正しい答えはありません。虹は色のグラデーションによって成っているために、日本人は便宜上、7色に区切っているにすぎません。そんな理由で、国によって色数が異なるわけです。

 日本でも3、4歳の幼児に虹の絵を描かせると、その色の数は実に自由です。5色だったり、10色だったり、3色だったりと、思い思いに感じたまま、見たままを紙に落としていきます。それが小学生くらいになると、ほとんどの子どもが7色に塗り分けて描くのです。

 3、4歳の幼児と、小学生の違いは何でしょうか。この間に、「虹は7色である」という日本の常識を学ぶからです。その常識が、私たちの目の機能にまで影響を与え、虹を見たときに7色に感じさせて、それに則って7色に描くようになるというわけです。

 しかし、既に書いたように、「虹が7色」というのは日本での「常識」であって、「真実」ではありません。日本で「進め」の信号を「青」というのが、「常識」であって、「真実」ではないように。

 このように人は常識に縛られて、異なる見方をしてみることを放棄していることが少なくありません。知らず知らずのうちに、何の疑問も持たずに、世の中がつくった前提、常識を受け入れているのです。

 今、あなたが当たり前だと思っていること、またはモヤモヤしていること。それらは本当に真実でしょうか。目の前にある「事実」や「暗黙の了解」「前提」に疑いのメスを入れた瞬間、悩みから解放されたり、新しい解決策が見えてきたりするものです。

 今では「歩きながら音楽を聴く」ということは、当たり前のことです。しかし、それは1970年代に発売されたソニーの「ウォークマン」によってもたらされた「革命」でした。それまでの常識は「音楽は部屋で聴くもの」だったのですから。もし、ソニーの人々がその常識を「本当にそうだろうか」と疑い、「部屋以外でも聴きたい1」と思わなかったら、「ウォークマン」が生まれることはなかったのです。

 就職活動のリクルートスーツは黒か紺。多くの学生はそう信じて疑わないでしょう。しかし、1980年代後半のバブル時代は、リクルートスーツすらとても華やかだった、と言ったら信じられるでしょうか。当時、企業の人事採用担当をしていた私のもとには、紺のブレザーとカーキのチノパン、グレンチェックのスーツの男子学生、ベージュや薄いピンクのスーツを着た女子学生が多く訪れました。

 今も経営者として採用活動に携わりますが、学生たちが全員、黒や紺の地味なスーツを着ていることに違和感を覚えざるを得ません。

 別に黒や紺のスーツでなくてもいい。それは私だけでなく、多くの企業の人事担当者の本音だと思うのです。

 リクルートスーツを着る本質は、「オフィシャルな場で」「自分より目上の人に会う」のにふさわしい服装であるということ。黒や紺は勝手につくり上げられた常識にすぎません。相手に失礼ではない服装、と考えれば、もっと自由度が上がるはずなのです。

 何か、意味のない常識にとらわれてはいませんか?

 本当にそうだろうか。
 本質はなんだろうか。

 そう考えるクセを付けること。それも大切な凝り固まった自分をほぐすストレッチなのです。

 

小笹芳央(おざさ よしひさ) 小笹芳央

(おざさ・よしひさ)

(株)リンクアンドモチベーション 代表

1961年、大阪府出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、(株)リクルート入社。
2000年、(株)リンクアンドモチベーションを設立、同社代表取締役社長就任。気鋭の企業変革コンサルタントとして注目を集め、モチベーションエンジニアリングという同社の基幹技術を確立させ、幅広い業界からその実効性が支持されている。経営者としても、創業から8年で同社を東証一部に上場させた手腕には定評があり、講演会やテレビ(フジテレビ「とくダネ!」、テレビ東京「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」他)・ラジオ出演でも人気を博している。
主な著書に『モチベーション・リーダーシップ』『モチベーション・マネジメント』(以上、PHP研究所)『会社の品格』『自分は評価されていないと思ったら読む本』(以上、幻冬舎)共著に『社長と教授の「やる気!」特別講座』(かんき出版)など多数。


◇書籍紹介◇

1日3分で人生が変わる

セルフ・モチベーション

小笹芳央 著
本体価格 800円   

やる気をコントロールできる人が成功する! 一行日記をつける、頼まれ事は断る、嫉妬を原動力にする……最強のトレーニングメニュー集。

iyashi

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