1. PHPオンライン
  2. 社会
  3. フェイスブックに上司の悪口に書き込む「法律的リスク」

社会

フェイスブックに上司の悪口に書き込む「法律的リスク」

浅見隆行(弁護士)

2012年05月01日 公開 2022年12月27日 更新

浅見隆行

第三者がいる場所では社内のことを話さない

また、自分で書き込む際に気をつけているだけでは不十分です。最近では、たまたま企業の内部情報を聞きかじった第三者が、ネット上でその情報を拡散してしまうリスクもあるからです。しかも、聞いた話を広めただけでは法的責任を問いにくいので、抑止力も働きにくい。ですから、普段の会話にも気をつける必要があるでしょう。

たとえば、オフィス街で昼食を食べていると、隣の席から「○○社と〇〇円の商談が成立して……」などという話が聞こえてくることがしばしばあります。これは、じつに危ない。

隣の席でライバル社の社員が聞いていたらたいへんです。社外の人も利用する会社のエレベーターのなかでの会話などでも同じです。居酒屋で上司の愚痴をいうのも、誰が聞いているかわかりませんから、危険です。

私は職業柄、守秘義務がありますので、普段の生活でも非常に気を使っています。基本的にオフィスの外ではいっさい仕事の話はしません。「まずいことさえしゃべらなければいい」といった過信はしないほうがいいです。

例外的に仕事の話をすることがあるとしたら、ほんとうに親しい同業者と話すときくらいでしょうか。その場合も、必ず飲食店の個室を利用します。

ネット上の悪口については、自分が被害者になることも考えられます。同僚や取引先の社員からひどいことを書かれるような場合です。

被害を受けた場合は、法的に対処する必要があることもあるでしょうが、そうすると弁護士の着手金だけで最低でも5万円ほどの費用がかかってしまいかねません。また、解決までに時間もかかります。

まずは上司や会社に相談して、「ネットの不適切利用」という観点から、当事者に注意してもらうのが適切です。迅速な解決にもなるでしょう。

【SNSとの付き合い方の基本】
・自社についてのマイナス情報は書かない
・取引先についてはいっさい触れない

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×