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「あかちゃんの目」が認識できるは2色だけ!? 発達をうながす絵本の“しかけ”

2019年12月24日 公開

石川美和子(株式会社ダッドウェイ)

石川美和子

生まれたてのあかちゃんは「快」の感情を知らない、ということをご存知でしょうか? 温かなお母さんの羊水に包まれていたのに、突然、外の世界に生み出されたあかちゃん。その感じる興奮や衝撃は、計り知れません。

お腹が空いた、おむつが濡れて気持ち悪い、目覚めた時に誰もいなくて不安…など、あかちゃんを悩ます「不快」でいっぱい。だからこそ、その事が解決された時にあかちゃんは「快」の感情を後天的に学びます。おっぱいを飲んで満足、お母さんに抱っこされながら感じる安心、おむつを交換してもらった心地よさなど。あかちゃんは、次々と「快」を学んでいきます。

絵本『SASSYのあかちゃん絵本 にこにこ』の共著者の一人である石川美和子さん。絵本のつくりにおいて、あかちゃんのための「快」を感じてもらって、好奇心を喚起し、すこやかな成長をうながすためにどんな工夫をしているのでしょうか? お聞きしました。

 

あかちゃんは左右対称を認識しやすい?

お母さんのお腹の中にいる時から発達している聴覚と違って、あかちゃんの視覚は未発達のまま生まれてきます。まだぼんやりとしか世の中を見ることができません。

ですが、左右対称のものが認識しやすいとされています。あかちゃんは、生まれたときから「顔」しかも「笑顔」が大好きで、生後数時間で「笑顔」を選んで注視するとわかっています。

人間のあかちゃんは、1人では立つことも、食べることもできない弱い存在として、自分を守ってくれる人を見るようにと、ちゃんとプログラミングされているんです。

絵本『にこにこ』でも、すべてのページごとに「左右対称の笑顔」がちりばめられているのは、そんな理由からなんです。

左右対称の笑顔をじっと注視し、生後間もないあかちゃんはやがて、ニコッと笑顔を見せはじめます。

厳密に言うとこれは笑顔ではなく「新生児微笑」と言われる、ごく単純な筋肉反応なんですが、それを見た周りの大人は「あ! 笑った!!」とつられて笑顔になります。自分の反応によって、大人が笑顔を見せるという嬉しさや喜びが脳に刺激を送り、あかちゃんは「快」の感覚を覚えていくという、とっても大事なステップ。

 

あかちゃんの目にも見えやすい色とは?

あかちゃんのベビーグッズや絵本は、その愛らしい又はやわらかい印象通り、淡いピンクや水色の可愛らしいパステルカラーのものが多いでしょう。

ですが実は、生まれたてのあかちゃんは未熟な視覚で生まれて、ぼんやりとした視界で、さらには、白と黒でしか見えていないって知っていましたか?

だんだん色が見え……、最初に見えるようになると言われる赤、そして緑と、どんどん見える色も増えていきます。輪郭も少しずつはっきりしてきます。

あかちゃんも、白黒の世界から突然目に飛び込んでくるように見えはじめた色が嬉しいのか、赤が見えてきたら赤を、緑が見えてきたら緑を目で追うようになってきます。

見えるようになった頃に、見えるものを与えると、目や脳に刺激が加わり、気持ちよく感じると言われています。これも「快」を学ぶ、ひとつのステップなんですね。

もともと、白黒は日本ではあまり縁起のいい色ではないとおもちゃや絵本にはタブーとされてきたところもあったようですが、欧米ではその概念がありません。

アメリカのトイブランドであるSassyが、絵本の『にこにこ』で「見開きモノクロ」に少しのアクセントカラーのページも多く差し込んでいるのは、そういった理由もあります。

乳児発達心理学から考えれば、生まれたばかりのあかちゃんに見えるのは白黒だけ。表紙も黒バックにカラフルなものに。0歳のあかちゃんに見える色をつかうのは当たり前という考え方だったんです。

表紙の背景を黒にしたことで、狙い通り、左右対称の笑顔のキャラクターがくっきりと浮き上がり、あかちゃんが判別しやすかったせいか、書店に並べられていた絵本の表紙に、あかちゃんがベビーカーから手を伸ばして、お母さんが気づいて買ってくださったというエピソードや、あかちゃんが泣いていても、絵本を見せるとパッと泣きやんでじーっと見てくれるという話が次々と聞こえてきました。

あかちゃんを見ていると本当におもしろいですね。 他者の働きかけによってどんどん感情が形成され、表情が豊かになって、好みもできてきて……。こうした“発達”は、人間独特のものじゃないかと思うんですよね。人ってこんなふうに感性が育まれるんだなと感動します。



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