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スポーツドクターが疑問視 「子どもが筋トレをすると身長が止まる」の真偽

2020年02月18日 公開

田崎篤(聖路加国際病院医長)

田崎篤
(撮影:鈴木真貴)

聖路加国際病院の整形外科医として、また、7⼈制ラグビー⽇本代表や大学ラグビー部などのチームドクターとして活躍中の医師・田崎篤先生。

その田崎先生の新著『子どもの健全な成長のための スポーツのすすめ』では、スポーツ医学の正しい知識、スポーツにおいて大切な知識を、子どもたちや保護者、指導者に向けて伝えている。

本稿では同書より、親世代には「常識」と信じ込まれがちな「昔の常識」について、第一線で活躍するスポーツドクターの視点から解説した一節を紹介する。

※本稿は田崎篤著『子どもの健全な成長のためのスポーツのすすめ』(岩崎書店刊)より一部抜粋・編集したものです

 

【昔の常識その1】筋トレや練習を1日休むと取り戻すのに2日かかるはウソ?

「筋トレや練習を1日休むと取り戻すのに2日かかる」などという、ほとんど脅しのような指導もそうですが、親世代が信じ込んでいた、しかし今では否定されている「昔の常識」は多々あります。

昔は日本社会において、厳しく戒め、叱咤することが子どもの力を伸ばすと信じられていたように思います。ところが今では、厳しくすることよりもほめる方が、子どもの習得速度が上がるということが科学的実験により証明されています。

具体的には、子どもへの指導方法において、「自分の問題点を指摘され評価される指導法」、「他人のよい例を手本として見せられる指導法」、そして「自分のよいところをほめられる指導法」の3つを比較する実験の結果、ほめられる指導法が最も子どもの達成度が高まる結果となった、ということです。

脳科学の研究者チームの報告によると、ほめられたときと、仕事の報酬を得たときに活性化される脳の部位は同じだそうです。子どもがほめられたとき、私たちが給料を手にしたときと同じ喜びを感じるとは、なんともリアリティを持って理解できますね(笑)。

 

【昔の常識その2】⼦どもの筋トレは背が伸びない?

「子どものうちに筋肉をつけてしまうと背が伸びない」という説を聞いたことがありますか? 昔から「子どもの筋力トレーニング、いわゆる筋トレは禁止」とまで、まことしやかにいわれていますが、これも明確な医学的根拠はないものと考えます。

それどころか最近では、「筋トレは成長ホルモンを分泌させる」という研究報告がされています。

筋トレは、運動能力を上げ、競技成績を向上させるだけでなく、ケガの予防にもなりますから、根拠なく「ダメ」といってはなりません。

しかし、指導者や保護者が鬼の形相で筋トレをさせれば、子どもにはそれが何を目的として行うのかを理解できず、ただ辛いだけです。そのせいで生じたストレスは、心身の発育にマイナスになることもあります。

指導者をはじめ、子どもの競技にかかわるおとなは、自分が子どもの頃や現役だった頃の常識にとらわれず、知識の更新をして、楽しく子どもたちに伝えていきたいものです。

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