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開成の校長先生が語った「将来のリーダーになる子」の資質



2020年11月20日 公開

柳沢幸雄(北鎌倉女子学園園長)

開成高校の校長が最後に伝えたこと
※写真はイメージです

2020年3月まで開成中学・高校の校長を務め、現在は北鎌倉女子学園の園長である柳沢幸雄氏。

同氏の著書『ハーバード・東大・開成で教えてわかった 「頭のいい子」の親がしている60のこと』では、50年近い教員生活の経験と、親としてアメリカでの体験を踏まえ、親が子どもとどう関わればよいかをアドバイスしている。

本稿では、柳沢幸雄氏が現代の子どもたちに求められる大切な力について語った一節を紹介する。

※本稿は『ハーバード・東大・開成で教えてわかった 「頭のいい子」の親がしている60のこと』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです

 

問題解決力もプログラミング思考も必要だが、それ以上に重要な能力

小学生の頃から国際化を目指し、アクティブ・ラーニングで問題解決能力を養い、プログラミング思考で論理性を磨く─。

新しい教育は、これまで磨いてこなかった能力を磨き、今までにない未来を生きる子どもたちを作っていきます。

では、どんな子どもが、未来を担う子どもだろうか。

それは、リーダーシップのある子だと、私は思います。

これまで、学校では、パッシブ・ラーニング(受け身で授業を聴くような学習)中心に、知識や技能を磨いてきました。定期試験や受験なども、どれだけ知識を持っているかを点数に表し、点数の高さを競う内容でした。

そして、クラスやその学年で点数の高い子が優秀な子でした。他の子と自分を知識の点数で比べ、自分のほうが知識を持っていることが、点数によって示されていたのです。

しかし、これからは、知識や技能があるだけでは次世代のリーダーにはなれないと、私は強く思います。

私は、2020年3月で開成中学校・高等学校の校長を退任しました。その折に、生徒たちにリーダーシップの話をしました。

リーダーの役割はふたつあります。

ひとつは、「判断」をすること、もうひとつは「決断」をすること。

このふたつには、明確な違いがあります。

判断については、アクティブ・ラーニングなどで身につけたPDCAの形ができれば、だれでもできる。情報やデータが十分にあり、論理的に解析す
る力があればよいのです。そうすれば、同じところにたどりつく。判断を間違えることはありません。

しかし、決断は、判断したいくつかの可能性の中から、どれかひとつを選んでいくことです。

 

歴史に名を残すためには「知識と技能」だけでは足りない

2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界中で大きな混乱が生まれました。

このような事態を冷静にとらえ、持てる知識と技能で思考し、判断し、決断し、表現するリーダーとなる次世代の子どもたちを、私たち大人はひとりでも多く育てていかなければいけません。

それには、知識と技能があるだけでは不充分なのです。

たとえば、専門家委員会の情報やデータをもとに、新型コロナウイルスの対策として、感染が心配される期間の通学をどうするか、決断しなければならないとします。

・子どもはあまり感染しないし感染力も高くないから、学校は継続して開校し、子どもたちは注意して登校する
・まずは短期間の休校をし、情勢を見ながら都度休校か登校かを決めていく
・2カ月程度の十分な期間の休校をし、感染が下火になるまで開校しない

など、学業の遅れと感染拡大防止という相反する問題を抱え、どれがベター・セレクションなのかを、可能性を見比べながら決断しなければなりません。

実は、この決断が的確にできる人は、そうたくさんはいません。日本でも、長期間の休校を決めるときに、安倍晋三首相は大変悩んだと思います。

決断には責任が伴います。結果はあとで出ます。休校の問題も、これでよかったのか、結果は半年後、あるいは1年後、2年後にならないとわからないかもしれない。

決断がうまくいけば歴史に名を残すが、失敗すれば批判を浴び、消えてしまいます。

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決断力を持てるリーダーは一握りしかいない >



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