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実はスクワットは意味がない? お尻のたるみに効く「片足立ちトレーニング」

松尾タカシ(ヒップアップ・アーティスト)

2023年07月03日 公開

実はスクワットは意味がない? お尻のたるみに効く「片足立ちトレーニング」


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自らをヒップアップ・アーティストと称する松尾タカシ氏はお尻の筋肉を「埋蔵"筋"」と言い表します。人生100歳時代を、健康なカラダで楽しく生きるために、「埋まっている」お尻の筋肉を掘り起こし、目覚めさせる必要があるのです。

※本稿は、松尾タカシ著『カラダがみるみる整う お尻年齢リセット術』(日東書院本社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

ヒトのお尻は気づかない間に老けていく

「お尻」は健康や見た目の美しさに直結するため、カラダのどの部位よりも大事にしなければならないパーツです。しかし、カラダのどの部位よりも「真っ先に衰えていく」という残念な特徴があります。

お尻がたるむ「ヒップクライシス」は、加齢にともなって徐々に進行します。「お腹が出てきた」「顔にシワが増えてきた」といったことは、比較的すぐに気づけるでしょう。

でも、お尻はカラダの裏側にあります。「あれ?」と感じたときには「すっかりタレている」ということが往々にして起こるのです。

「若い頃に穿いていたデニムがなんだか似合わない」
「スーツのサイズはぴったりなのにカッコ悪く見える」

これはヒップラインのたるみが原因です。見た目の変化だけでなく「階段の上り下りがツラい」という人も、お尻がタレている可能性が高いでしょう。ヒトはお尻から老けていきます。いつまでも若々しく健康に、かつ、美しくいたいのであれば、自分のお尻年齢を把握して適切な対応策を取ることが重要です。

そもそも、お尻は「大臀筋」「中臀筋」「小臀筋」という3つの筋肉が集まって形成されています。これらの筋肉は、足を動かしたり、まわしたりする際に働くのが特徴です。

そのため「お尻がたるむ=筋力が低下」すると、これらの動作をスムーズに行えなくなってしまいます。腰痛や坐骨神経痛を患ったり、最悪の場合、歩行困難に陥ってしまうこともあるのです。

美しいヒップラインを維持することは、健康を維持することにもつながります。だからこそ、お尻のケアは老若男女にとって必要なことなのです。

 

実はお尻に効かない「トレーニング」

世の中には、お尻を鍛えるトレーニングやヒップアップを目的としたエクササイズが、たくさん溢れています。しかし、美尻効果を謳うエクササイズの多くには「落とし穴」があるのです。

下半身の筋肉を鍛える筋トレの中で、もっとも有名なのが「スクワット」なのではないでしょうか。当然、お尻の筋肉にも効き目がありそうですが、骨盤が後傾している状態で行っても、あまり意味がないのです。骨盤が正しい位置に維持できていないと、スクワットでしゃがんだ際に股関節よりも膝関節が曲がってしまいます。

そのため、お尻の筋肉に負荷がかからないのです。スクワット自体はとても効率の良いトレーニングですが、骨盤の傾きによって、有効な人と、まったく意味のない人に分かれてしまう種目だと言えます。

四つん這いの姿勢になり、片方の足を後方へ思い切り蹴り上げる「バックキック」には、お尻の筋肉を鍛える効果を期待できません。なぜなら、股関節の後方への可動域は10度程度しかないからです。

直立姿勢で骨盤の位置を固定したまま足を後ろに引いてみましょう。自分が思っているほど後方へ引きつけることができないと思います。

バックキックで足を後ろへ蹴り上げられるのは、股関節ではなく骨盤が動いているからです。背中が反って骨盤が後ろへ動いているだけなので、お尻の筋肉にはまったく負荷がかかっていません。バックキックで鍛えられるのは、太ももの後ろ側の筋肉や背筋です。 

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自重トレーニングをするだけで、お尻は目覚める

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