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怒っている人、厄介な人の上手な取り扱い方

藤井雅子(心理カウンセラー)

2015年02月26日 公開 2022年08月01日 更新

アサーティブな聞き方で突破口を見出す

自分の説明不足を棚に上げて怒る上司の例を、もうひとつ。

広告会社で働くKさんは、上司に企画書を提出したところ、いきなりなにも言わずに突き返されました。驚いて、「えっ、どうしてダメなんてすか?」と聞いても、上司は「自分で考えろ!」と言うばかり。こんなときは、どうしたらよいのでしょうか?

何も言わずに突き返す理由は、いろいろ考えられます。上司自身もやることをいっぱい抱えていて、部下に手取り足取り教える余裕がないのかもしれません。または、「企画書は百本ノックと一緒だ。ダメ出しを繰り返して成長するんだ!」などという信念を持っていて、部下を厳しく教育しているつもりということもあるでしょう。

どのような理由であれ、上司にきちんと説明してもらわない限り、問題は一向に解決しません。

上司から説明を引き出すには、聞き方のコツがあります。

Kさんのように、「なんでダメなんてすか?」とか「どうしてですか?」というのは、言葉に攻撃的なニュアンスを含むため、相手の態度を硬化させ、怒りを増幅させてしまいかねません。ここは「アサーティブ」な言い方をすることが大切です。

アサーティブとは、自己主張すること。といっても、我を押し通すのではなく、自分の要求や意見を、相手の権利を侵害せずに、率直に、わかりやすく表現することです。

「アサーティブ」は、とても効果的なコミュニケーションスキルで、「(1)こういう事実があると、(2)私はこう考えてこういう気持ちになる。だから、(3)こうしてもらえませんか?」というのが、基本的な構文です。

Kさんの場合は、「(1)なにも言っていただけないと、(2)どこを直したらいいかわからなくて、私はとても困りますし、不安でますます混乱してしまいます。(3)ヒントだけでも、教えていただけませんか?」という具合です。

困って不安を感じている、と率直に自分の弱みを見せ、ヒントが欲しいと提案・お願いをします。

こちらが白旗を掲げているのに、追い打ちをかけるような人はそうそういません。上司がひるめば、突破口が開ける可能性はあります。

説明不足の上司には、アサーティブに状況を話して、説明を求めていきましょう。

 

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