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30代、そろそろお金を貯めましょう~夫婦で、シングルで、いくら必要? どう貯める?

深田晶恵(ファイナンシャルプランナー)

2015年11月12日 公開 2023年02月22日 更新

年金不安にいたずらに振り回されない!「10年以上先のことはゆるく考える」スタンスを持とう

 ここまで見てきたように、リタイヤ後に向けて少しずつ準備をしていくには、老後の収支をざっくりとイメージすると目標を立てやすくなります。しかし、65歳以降は年金が収入の柱になるという前提を置くと、「年金はあてにならないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

 確かに、日本の年金制度は運営にさまざまな問題を抱えています。少子高齢化をふまえると将来受け取れる年金が、予想より少なくなる可能性もあります。

 しかし社会保障制度である以上、「年金が一切もらえなくなる」などということはありえないでしょう。どんなに長生きしても、年金は生きている限りもらい続けられるのですから、老後のライフプランのベースとなるのは、やはり年金収入です。

 それに、いたずらに〝年金不安〟に振り回されて斜に構えても、会社勤めの人の年金保険料は給与から自動的に徴収されていますから「払わない」という選択肢はありません。こういったことを冷静に考え合わせれば、まずは現時点でのざっくりとした試算をベースにして、ライフプランを立ててみることのほうが大切です。

 お金のことは、1~数年先のことまではしっかり計画を立てておくことが必要。でも、制度や自分を取り巻く環境は変化していくものですから、10年以上先の制度のことを細かく考えてもあまり意味はありません。

 何かあったときにライフプランを見直せるよう、年金制度に関するニュースをしっかりウォッチしつつ、今できることを少しずつ始めていきましょう。

 

どんな人でも、お金は必ず貯められる! 95%の貯まらない人を救う「貯蓄の先取り」法

 「60歳で1250万円+特別支出」は、何の準備もせずにクリアできる目標ではありません。そこで重要なのが、「積み立てを利用して、必ず毎月一定額を貯蓄すること」です。

 なかなかお金を貯められない人にありがちなのが、「余った分だけ貯蓄している」というパターン。でも、〝残ったら貯蓄〟では、支出が増えたときに貯めるペースが落ちてしまいますよね。

 私は、個別相談やセミナーなどでたくさんの人に「お金の貯め方」を聞いてきましたが、「残ったら貯蓄」でもお金を貯められるという人は、せいぜい5%程度。この5%の人は、ムダ遣いが好きではない人なので自然に貯まっていきます。

 一方、大多数の95%の人は、上手なしくみを作らなければお金を貯めることができません。

 言い換えると、しくみさえ作れば貯まります。この点、積み立てはとても強力です。たとえば、月に3万円ずつ積み立てれば3年間で約100万円にもなります。

 積み立てなら、お給料が入った時点で先取り貯蓄するシステムを簡単に作ることができますし、いったんしくみ化してしまえば「今月は貯められなかったな」ということはありません。あとは、残った金額の範囲で生活をやりくりする習慣をつければよいのです。

 「残ったお金で暮らす習慣」を身につけると、お金に振り回されることが減り、自分でコントロールできていると自信を持つことができます。「一生モノの財産」といえるこの習慣は、2~3カ月で身につけることができますから、ぜひチャレンジしましょう。

著者紹介

深田晶恵(ふかた あきえ)

ファイナンシャルプランナー

1967年北海道生まれ。外資系電機メーカー、日本フィリップス(株)で8年間勤務後、1996年にファイナンシャルプランナーに転身。FP資格取得後、実務経験を積んだ後、1998年にFPとして独り立ちする。その後、同じオフィスの仲間と特定の金融商品、保険商品の販売を行わない独立系FP会社「生活設計塾クルー」を立ち上げ、個人向けコンサルティングを行ういっぽう、セミナーやメディアを通じてマネー情報を発信している。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のがモットー。『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社)、『住宅ローンはこうして借りなさい』(ダイヤモンド社)他、著書多数。

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