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「会ってみたい」と思われる人のメール・手紙の作法

2015年12月28日 公開
2023年01月12日 更新

臼井由妃(作家/健康プラザコーワ代表取締役)

ユニークな切手は逆効果になることも

次に、手紙の場合を考えてみます。最近は手紙を送る機会がめっきり減りましたが、社長など役職の高い人へコンタクトを取る場合や、DMを送る場合などが考えられます。

社名や部署名、名前などの宛名を間違えないことは手紙でもメールでも大原則ですが、宛名の間違いは非常に多いです。
私の場合、「臼井」が「白井」、「由妃」が「由紀」になっていることが頻繁にあります。宛名の間違いは相手を傷つけるだけでなく、ビジネスチャンスを逃すことになりかねません。

また、ユニークな切手で印象づけようとする人もいますが、ファーストコンタクトでは相手の好みがわからないので、普通切手を使うのが無難でしょう。
私宛ての手紙でも、キャラクターの切手が貼られていることがありました。「女性はかわいいキャラクターが好きだろう」というその人なりの気遣いかもしれませんが、ビジネスでは不適切です。

ただし、お互いの仕事に関連するものなら話は別。たとえば、地方創生関連の仕事をしている人が、地域のオリジナル切手を使うのは、「仕事熱心な人だな」という好印象につながります。

手紙には必ず名刺を同封し、面談時に改めて名刺交換するようにします。最近は、自分のことをよく知ってもらおうと、情報をたくさん盛り込んだ折り畳み式の名刺を活用する人がいます。
しかし、名刺入れに収まらないサイズの名刺は、もらう側にとっては整理に困るので、ファーストコンタクトではふさわしくありません。

また、手紙と一緒にいきなりパンフレットや資料を送るのも、相手の迷惑になりかねないので避けたいものです。
パンフレットや資料は、相手が興味を示してから改めて送るか、面談が決まってから事前情報として送るのがよいでしょう。相手に負担をかけない配慮も、手紙での第一印象を良くする秘訣です。

 

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著者紹介

臼井由妃(うすい・ゆき)

ビジネス作家

1958年東京生まれ。33歳で結婚後、病身の夫の後を継ぐ形で専業主婦から経営者に転進。独自のビジネス手法で多額の負債を抱えていた会社を優良企業へと育てる。その手法が様々なメデイアで紹介され、日本テレビ系で放送された「マネーの虎」に出演するなど、好評を博す。また幼少期に吃音を患い対人恐怖症に陥るも克服し、講演活動も積極的に行っている。理学博士号・MBA・行政書士・宅地建物取引士などを短期で取得したことでも知られ、その勉強法や知識の広さには定評がある。ビジネス作家、エッセイスト・講演家としても活躍中。『心が通じる ひと言添える作法』(あさ出版)など、著書多数。

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