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特別対談:藤本篤志(『社畜のススメ』著者)×薮隣一郎(『社畜人ヤブー』登場人物)

2016年02月29日 公開
2023年01月05日 更新

『THE21』編集部

「社畜」を極めて「社蓄」を目指そう!

THE21オンラインで一部を無料公開している漫画『社畜人ヤブー』(那智泉見著)が、一部マニアを中心に大人気になっている。「仕事のやりがい」「ワークライフバランス」などが重視される昨今、あえて仕事にすべてのエネルギーを注ぎ込む「社畜」的生き方を極めているサラリーマン・薮隣一郎の生き様を描くコミックである。昨今のユル~い風潮に嫌気がさした人が多いのか、それとも「我こそが社畜」と思う人々の共感を呼んでいるのか、口コミで人気が広がり、早3.5万部を突破した。
薮の愛読書の一つに、『社畜のススメ』(藤本篤志著/新潮新書)がある。作中で薮が説く「仕事の守破離」などの教えが書かれている名著だ。今回、単行本発売を記念し、著者の藤本氏との異色対談が実現。社畜道の神髄がここにある……!

 

一流を目指すならまずは「歯車になれ!」

 今回、藤本先生との対談をさせていただけることになり、身に余る光栄です。「骨になるまで働く」ことをモットーとしている私にとって、先生の『社畜のススメ』は大変参考になる本でした。今日は、さらなる社畜道を極めるためにご教授いただければと思っております。

藤本 そう言っていただいて私も嬉しいです。私も『社畜人ヤブー』の愛読者です(笑)。薮さんは後輩の倉良君に、私が『社畜のススメ』で言いたかったことをうまく伝えてくださっていると感じました。

 ありがとうございます。倉良君は、良い歯車になる素質があると思うのですが、どうも本人にふっきれない部分があるようでして。

藤本 なるほど。でも、ほとんどの人が「歯車にはなりたくない」と思っているでしょうね。自分らしさを何とか出したい、個性を出したいと。もちろん、本当に素養がある人がその考えによって才能を開花させることもあるかとは思いますが、それはごく一握りの天才だけ。実際には、そうした考えに固執して自分の成長を鈍化させている人が多いですよね。

 おっしゃるとおりです。弊社(※編集部注:株式会社アドブラックス)にも、そこを踏まえない若手が多いようですね。もちろん目標を持つのは、良いことですが、基礎を踏まえずそれを追い求めることは、地地固めに必要な多くの「仕事のパターン」を無視して進むということです。蓄積が無ければ、応用のしようもない。その差は、年々開きます。まずは我慢強く冷静に状況を見極めること。この先どこで何をしようと、超えねばならない心のハードルは同じなのです。それを、安易に会社から逃げようとする部下たちには伝えたいのです。

藤本 そうですね。その道とかその会社で、その組織で勝ちたい、もしくはいいポジションにいきたいということであれば、結局人より努力するしかないですから。

 私も、まだまだ修行が足りませんね。

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著者紹介

藤本篤志(ふじもと・あつし)

グランド・デザインズ代表取締役

1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。株式会社USEN取締役、株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。2005年7月より現職。営業現役時代に営業プレーヤーとしても、営業マネジャーとしてもトップの成績を収めた経験を活かして、営業コンサルティング事業を始める。2013年4月、長年のコンサルティングで培ったノウハウを活かした画期的な営業プロセスマネジメント・クラウドシステム「営業ミエルマップ」を完成させ、販売を開始する。『御社の営業がダメな理由』『社畜のススメ』(新潮新書)をはじめ多数のビジネス書を執筆する。

薮隣一郎(やぶ・りんいちろう)

株式会社アド・ブラックス 営業部二課課長

スタイリッシュでクールな社畜。残業は「会社へのおもてなし」、クレームは「お客様からのラブコール」など独特の社畜思考を極める一方、仕事の実績と速さでは常に周囲を圧倒する。

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