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「間違いだらけの食習慣」を見直し、若く健康な身体を手に入れよう

2016年07月14日 公開
2023年05月16日 更新

南雲吉則(ナグモクリニック総院長)

 

南雲氏が不健康な生活から脱出できた理由とは?

 今では規則正しい生活習慣によって若々しさと健康を保つ南雲氏だが、30代の頃の生活は不健康の極みだったそうだ。

「暴飲暴食、深酒、夜更かし。38歳のときは体重が80kgもありました。このような生活をしていたのは、今から思えばストレスのせいです。神経を使う仕事に携わり、多忙で、人間関係にも悩まされる。その中で、良くない食べ物や嗜好品に依存していったのです」

 ストレスを克服した背景には、考え方の大きな転換があった。

「ストレスとは、実際のところ、自分の中で勝手に作り出している『妄想』にすぎない、とあるときに気づきました。

 人はしばしば、見栄やプライド、縄張り意識に駆られてあくせくします。それがストレスになる。しかし、本来、人間は裸一貫で生まれてきたものです。ポジションや縄張りは、いつ誰に取って代わられても不思議はない。それを必死に守ろうとしたり、失ったと言って嘆いたり、奪われたと言って他人を恨んだりするのはナンセンスです。そう考えるようになって競争意識から解放されたとき、平静なメンタルを得ることができました」

 安定した精神もまた、健康を支える重要な基盤となる。運動の習慣も、精神面での効果が高いと南雲氏は言う。

「去年、トレーニングをテーマにした書籍を書いた関係で、筋トレを行ないました。懸垂30回、腹筋30回、腕立て伏せ30回を1日に2セットというハードな運動のおかげで、今も腹筋が割れています(笑)。

 やってみて気がついたのは、運動をする本当の意味です。

 筋トレは、至って単純で退屈な作業です。当然、毎日続けるのは大変。逆に言えば、それを淡々と継続できる人はすごいということです。筋トレに限らず、木刀の素振りでもいい。単調で退屈な作業を毎日続けられたら、それは強い自信につながるでしょう。そして、人生で起こり得るどんなつらいことにも耐えられるようになるはずです。これがすなわち『鍛錬』というものです。運動の真の効用は、そこにあると思います」

 

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著者紹介

南雲吉則(なぐも・よしのり)

ナグモクリニック総院長

1955年、東京都生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。東京女子医科大学形成外科、癌研究会附属病院外科、東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を経て、ナグモクリニックを開業。東京慈恵会医科大学をはじめ、数々の大学で教壇に立つ他、テレビ出演、セミナーなどでも活躍。近著に『なぜ、一流の人は「集中力」が1 日中続くのか?』(KADOKAWA)などがある。

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