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AIに仕事を奪われる「大失業時代」にどう備えるか

2016年09月23日 公開

飯田泰之(明治大学准教授)

日本経済のリスクと、我々にできる備えとは?

安倍政権下における日本経済をどう見るかは難しい問題だが、一定の評価をするのがリフレ派の論客として知られる飯田泰之氏。そのわりに我々が景気回復を実感できないのにはある理由があるという。さらに我々は「景気動向以上のリスクにさらされている」とも。「日本経済の未来」と「今、備えておくべきマネー対策」についてうかがった。《取材・構成=村上敬、写真撮影=長谷川博一

 

アベノミクスの恩恵が伝わりにくい理由とは?

アベノミクス開始以来、EUショックなどの影響はあるとはいえ、株価は大幅に上がった。だが、その一方で我々の暮らしが良くなったと実感している人はそれほど多くない。アベノミクスをどう評価すべきか、悩む人は多いだろう。

「安倍政権で雇用者数は150万人増えました。正社員も増加し始めている。東京はもちろん、そのほかの都市部でもいよいよ地価が反転し始めています。インフレ目標を達成していないから批判を受けますが、食品とエネルギーを除いた物価指数はマイナス1%近くからプラス1%まで上がっていて、おおむね評価していいでしょう。
課題は分配です。アベノミクスは高所得者優遇と言われますが、一方で低所得者層も恩恵を受けています。たとえば非正規雇用の賃金は上がっているし、シフトも増えています。ただ、中間層の暮らしは良くなっていない。実は全員が一様に豊かになるのは高度成長期でも難しいのですが、今回は『ザ・平均層』である中間層が恩恵を受けていないので、景気が良くなったという実感がないという人が多いのかもしれません」

課題はあるものの、アベノミクスを評価している飯田氏。すると、このまま日本経済は良い方向に向かうのだろうか。

「中長期的に二つのリスクがあります。まず政権が不安定になること。経済政策は安定政権だと強く効き、不安定政権だと効果が弱くなります。今後、自民党が分裂したり、次の総理が正反対の経済政策を打ち出すと、経済にブレーキがかかるおそれがあります。
 もう一つは海外経済のリスク。いまや中国経済のリスクは多くの企業が織り込み始めていますが、新たなリスクとしてヨーロッパエリアに注目です。ドイツが儲けたお金をヨーロッパに還流させず、機軸国としての責任を果たしていない。すでにイギリスがEU離脱を決めましたが、ユーロエリアの解体が進めば短期的に大きくショックが起きるでしょう」

 

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iyashi

著者紹介

飯田泰之(いいだ・やすゆき)

エコノミスト/明治大学政治経済学部准教授

1975年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。駒澤大学准教授を経て現職。㈱シノドスマネージング・ディレクター、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員。『ゼロから学ぶ経済政策』(角川oneテーマ21)、『世界一わかりやすい経済の教室』(中経の文庫)、『経済学思考の技術』(ダイヤモンド社)など、著書多数。

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