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自分の頭の中を可視化する「本棚の整理術」

2016年11月18日 公開
2023年05月16日 更新

内沼晋太郎(NUMABOOKS代表)

すべての本のタイトルが「自然と目に入る」ように並べよう

 本が好きな人に多い悩みが、本棚の整理が行き届かないこと。本棚に収まりきらず、足元に本が散乱し、同じ本を2冊買ってしまう失敗もしたりする。ビジネスマンのための本棚の整理法を、ブック・コーディネーターの内沼晋太郎氏に教えていただいた。

 

本棚は、収めるだけで関心が可視化できる道具

 本棚に本が収まりきらず、部屋の隅に積み上げたり、段ボール箱に詰めたりしている人もいるでしょう。本を処分することに抵抗があるのはわかりますが、普段、目につかない状態になっている本は、持っている意味がないと私は思っています。本棚に本の背が見えるように並べ、とくに意識しなくても、毎日、自然とタイトルが目に入ってくるようにしておいてこそ、持っている意味があると考えます。

 本棚は、収納であると同時に、自分が何に興味や関心を持っているのかを可視化する道具でもあります。1冊ずつの本は書店にある膨大な数の本から選び出したもので、それだけでも自分の興味や関心を自覚することになりますが、さらに本棚に並べることで、自分でも気がつかなかった本同士の関係性を新たに見出すことができます。「3年前に買ったこの本と、これから読もうと思って買ったこの本とは、扱っているテーマが似ているな。自分はずっとこういうことに興味を持っていたのか」というような発見ができるのです。本棚を眺めているだけで、アイデアを得ることもあるでしょう。

 段ボール箱の中の、能動的に探し出さなければ見つからない本からは、こうした気づきが生まれません。毎日を過ごしている場所で、受動的に目に入る状態にしておいてこそ、所有する意味があると思います。

 本棚の奥と手前に、二重に本を並べている人がよくいますが、私はお勧めしません。奥の本のタイトルが見えなくなるからです。

 本棚に収まりきらない本は、思いきって処分するのもよいでしょう。今後も読むことがあるかもしれないと思うものは、私の場合は、スキャンして電子データとして持っておくことにしています。

 

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「サイズ」ではなく「内容」で並べよう >

著者紹介

内沼晋太郎(うちぬま・しんたろう)

NUMABOOKS代表

1980年生まれ。ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。一橋大学商学部商学科卒。国際見本市主催会社を経て、往来堂書店(東京・千駄木)に勤務。その傍ら、2003年にbook pick orchestraを設立。2006年末まで代表を務めたのち、NUMABOOKSを設立。著書に『本の逆襲』(朝日出版社)など。

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