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頑張ってもお金が増えないのは「ある思い込み」が原因!?

2016年11月29日 公開
2023年05月16日 更新

和泉昭子(生活経済ジャーナリスト)

日本人の多くが陥っている「お金=悪者」のワナ

日本人はよく「お金儲けが下手だ」と言われる。それはお金に対する知識不足が原因だと思われがちだが、「実は潜在意識に問題がある」と指摘するのが、『お金持ちになる心理学』の著者である和泉昭子氏だ。いったいどういうことなのか。そしてあなたは「お金持ちになれる人」なのか。和泉氏にご寄稿いただいた。

 

なぜ「マネー本」を読んでもお金持ちになれないのか?

世の中にはいろいろな金融商品があり、さまざまな資産運用法が紹介されています。貯畜、副業、株やFXによる投資、家計の改善など、マネー本コーナーに並んでいるノウハウ本も多種多様です。

ただ、それらをいろいろと試したのに、なかなか資産が増えないという人もいるでしょう。
そういう方は、そもそも自分がお金に対してどういう感情を抱いているか、「潜在意識」を見つめてみてはいかがでしょうか。

たとえば、以下のような設問があったとします。あなたはどんな答えを書くでしょうか。

1. 父親はお金について(     )と思っていた。
2. 母親はお金について(     )と思っていた。
3. 幼いころ私はお金について(    )だと感じていた。
4. お金は人(   )にする。
5. お金持ちになると(   )を失う。

答えは人によっていろいろかと思いますが、以下のAさんとBさんの答えのうち、どちらに近いでしょうか。

Aさん
1. 父親はお金について(いつでもあるもの)と思っていた。
2. 母親はお金について(やりくりするもの)と思っていた。
3. 幼いころ私はお金について(お願いすればいつでもくれるもの)だと感じていた。
4. お金は人(いい人)にする。
5. お金持ちになると(  )を失う。→失うものはない

Bさん
1. 父親はお金について(使うもの)と思っていた。
2. 母親はお金について(将来のために貯めるもの)と思っていた。
3. 幼いころ私はお金について(大事なもの)だと感じていた。
4. お金は、人を(狂わせる)
5. お金持ちになると(友達)を失う。

日本人の多くは、Bさんのような答えを書くのが普通です。

ですが、実はこれが大きな問題なのです。

 

「親の教育」がお金を遠ざけている!?

私たちが潜在意識下に持っている信念や価値観は、一般的に7歳くらいまでの幼少期に培われるといわれています。

育った土地柄や周囲の人たちの影響もありますが、何より強い影響を与えるのは親です。両親ないしはいずれかの親の価値観をそのまま受け継いでいる場合もあれば、半面教師的に真逆の価値観をつくり出すケースもあります。

そして、多くの人は子供のころからずっと、「人は謙虚であるべき」「慎ましいことは美徳」「お金=悪者」だとご両親から言い聞かされてきたのではないでしょうか。テレビドラマでも小説でも、現代劇であれ時代劇であれ、お金持ちはヒーローやヒロインの敵役で、悪人であり、ときには事件の真犯人であったりするというのはよくあるストーリーでしょう。

そうやって成長してきた人は、たとえ表面的には「お金を増やしたい」と思い、行動していても、潜在意識のなかで「お金を避ける」ようになってしまうのです。

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子供の頃の「思い込み」はそう簡単にはなくならない >

著者紹介

和泉昭子(いずみ・あきこ)

生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー

横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。1995年CFP取得後、現職へ。メディア出演や講演、個人相談などを通じて、マネーに関する情報を発信するほか、(株)プラチナ・コンシェルジュ代表取締役として金融機関や事業会社に対するコンサルティングなどを手がけている。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(ファイナンスMBA)。

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