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無駄な動きをしない太陽の子(マリ)

2017年04月06日 公開

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(20)石澤義裕(デザイナー)

下手に動かず、忖度せずが「マリの働き方」


水道も電気もない集落に、お洒落な娘さん。

「君たちは夢のようなノマドだ」とおだててくれるのは、バカンスの権化フランス人。

「世界一ミニマムなキャンピングカー」ともてはやすのは、2倍の排気量のバイクにまたがったドイツ人。

「この車でシベリアを走るの? バカなの?」と鼻で笑ってくれたのは、どこから見ても日本人にしか見えなかった、ロシア人のおっさん。

 

「暑い」を通り越して「熱い」

ノマドを務めて12年。

軽自動車を棲家にして1年半。

暗黒大陸を彷徨って、4ヶ月。

セネガルから東に進路をとり、ブラックアフリカの真髄マリに入りました。

アフリカの内陸部は、もはや暑くはありません。熱いです。

となり村で核融合していそうな核疑惑レベル。

とかく先進国気取りの連中が、どうしてアフリカはいつまでたっても経済発展しないのかと、働きぶりやら人格やらを問いただすものですが、マリ滞在2週間にして悟りました。

朝から晩まで、サウナに閉じこもって仕事をしてみてください。

マラリアを抱えた蚊を追い払えないほどに意識が遠のいたら、アフリカでの生き様が見えてきます。

 

太陽の子……としか言いようのない、マリ。

母なる日差しは、顔の産毛をじりじりと燃やしながら、子泣きじじいのように重く頭にのしかかってきます。

生きる術は、無駄に動くべからず。

牛ですら、草も喰まずに木陰で直立不動。微動だにしません。

多くの村人は日がな1日木陰に寄り添い、深い闇からぢーっと沿道を眺めて過ごします。

ブラック企業からしたら怠けているようにしか見えませんが、お天道様の声なき声に従っているのです。

達人ともなると、どんなに暑くても眠れるようになります。

暑い日中は寝て過ごし、涼しい夜も寝るわけで、いつ働いているんだって話です。

 

目の焦点が合ってない国境の係官

世界各地で頻尿に明け暮れていた拙者にして、日に2度しか小便が出ないマリ。

太陽がくれた季節は、臨界点に達した「猛夏」だけ。

太陽の身に余る恵みは、彼らの口数を減らし、動作を緩慢にします。

そつなく仕事をこなすには、下手の考え休むに如かず。

とかく賄賂が付きもののアフリカの国境で、マリはほぼ顔パスでした。

書類を読む係官の目が泳いでいるというか、瞳孔が開いているというか、焦点が定まっていないのです。

難癖をつけて賄賂をたかれるほど頭は回転せず、アイドリングで精一杯。

最低限の質問をしたらパスポートにスタンプを押し、逃げるように休憩する係官です。

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著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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