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できるリーダーは「自分の会議の出席回数だけを減らさない」

2019年10月25日 公開
2023年02月24日 更新

吉田幸弘(リフレッシュコミュニケーションズ代表)

 

部下にとって適正な会議かを判断すべき

 だからこそ、部下が育つリーダーは、部下がどんな会議に参加しているか、あるいはこの会議だったらA君が出るのがいいだろう、別の会議だったらB君が出るのがいいだろうというところまで考えています。

 部下が最大限のパフォーマンスを発揮できる場を把握しているのです。

 

 会議の内容であったり、目的であったり、あるいは他の参加者を見たりして、これなら部下に合っているかどうか、部下に足りない知識を吸収してもらえるチャンスかどうかなど、幅広い見地で検討してから参加させるようにしています。

 逆に言えば、そう思えない会議には決して参加させません。

 

 そもそもの話ですが、現在5人のメンバーが参加している2時間の会議に、今後は2人のメンバーしか参加しないとします。

 仮に1時間×1人当たりの人件費を3,000円とすると、この決断だけで3,000円×2時間×3人=18,000円が浮くことになります。

 それだけではありません。その3人はこの時間を、他の業務に費やしたりできるので、実際にはここでの計算以上の効果があるはずです。

 

 この話は、会議や打ち合わせだけに限りません。実は社外研修などもそうで、部下に何となく参加させているというリーダーは少なくありません。

 しかし、部下が育つチームのリーダーは、部下に適正なものかどうかをしっかり判断したり、あるいは部下が参加する理由をはっきりさせてから、研修に行かせています。

 

 時間は大切な資源です。特に会議などは、有用なものもあればそうでないものもあります。そして、その優先順位は部下ごとに違います。

 その点まで意識して、部下を会議に参加させるようにしていきましょう。

著者紹介

吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)

リフレッシュコミュニケーションズ代表

成城大学卒業後、大手旅行会社、学校法人を経て、外資系専門商社へ転職。メンバーとのコミュニケーションに苦心し3度の降格人事を経験、クビ寸前の状態になる。その後、異動先で出会った上司から「伝え方」を学ぶことで営業成績が劇的に改善、マネジャーに返り咲く。現在はコンサルタントとして独立し、累計3万人のリーダーを育てている。

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