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意味のない「クソ仕事」を捨てて ワクワクする時間に集中しよう

2019年11月08日 公開
2023年02月24日 更新

山口 周(独立研究者)

「逆張り」を意識した効率的な時間の使い方

 山口氏は、移動に時間がかかることで、効率的に時間を使う圧力がかかったという。

「今は『本当にこの人と会いたい』という以外は、会食をお断りしています。お酒を飲むと、内容を忘れることもありますし。

 また、会議も減らしました。都心へ出かける頻度を下げ、会わなくても済む用事は電話で済ませます。一方で、都心に出るときは、アポイントをひとまとめにするよう調整しています」

 一つひとつの案件にも、制限時間を設けている。「ミーティングは、15分か30分。多くの方は、1時間ワンユニットで考えますが、それはナンセンス。時間を短くすれば、議論のポイントをシャープにせざるを得ないので、参加者の当事者意識が高まり、有意義なミーティングができるのです」

 また、山口氏はインフラの使い方がカギを握ると指摘する。

「交通機関や宿泊施設といった社会資本にはキャパシティが存在します。それを、みんな同じタイミングで利用すると、有用性が下がるのです。

 典型的なのがランチ時のレストラン。同じ時間に全員食事をすると、処理効率が落ちて列に並ぶことになります。

 むしろ、みんなが電車に乗らない時間に移動したり、お昼の時間帯を避けて食事すれば、貸し切りのような状態になることもあります。逆張りを意識するだけで、効率的な時間の使い方ができるようになるのです」

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著者紹介

山口 周(やまぐち・しゅう)

独立研究者

1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー・ヘイグループ参画を経て独立。著書に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』(光文社新書)『ニュータイプの時代』(ダイヤモンド社)などベストセラー多数。

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