THE21 » キャリア » 大企業がフリーランスの営業マンを活用する時代に。その背景は?

大企業がフリーランスの営業マンを活用する時代に。その背景は?

2019年12月06日 公開
2023年02月24日 更新

満田聖也(カクトクCEO)+出久地旭(同社Pro director事業部チームリーダー)

コニカミノルタの新サービスの営業活動をカクトクが全面支援


カクトク〔株〕CEOの満田聖也氏(右)と同社Pro director事業部チームリーダーの出久地旭氏

 

 2019年11月、コニカミノルタ〔株〕の新サービス「COCOMITE(ココミテ)」の拡販をカクトク〔株〕が全面支援する体制が本格的に稼働開始した。カクトクは2016年創業のベンチャー企業で、フリーランスの営業職と企業をつなぐマッチングプラットフォーム「kakutoku」を展開している。つまり、コニカミノルタは、COCOMITEの営業活動を外部委託として営業フリーランスに任せることにしたわけだ。いったい、なぜなのか? カクトクCEOの満田(みつた)聖也氏と同社Pro director事業部チームリーダーの出久地(でぐち)旭(あきら)氏に聞いた。

 

企業に合った営業チームを柔軟に編成できる

 カクトクによるCOCOMITEの拡販体制支援は、2019年8月に同社が始めた「カクトクPro director」というサービスをコニカミノルタが利用する形で行なわれている。新規事業として立ち上げたCOCOMITE事業開発チームには営業開発体制が構築できておらず、すぐに営業組織を構築できる外部サービスを探していたことが、コニカミノルタからカクトクに問い合わせがあった背景だという。

「COCOMITEは業務マニュアルの作成から運用までを一気通貫してオンラインで行なえるサブスクリプション型のSaaSで、これまでコニカミノルタが扱ってきたオフィス機器やヘルスケア機器など、売切り型の商材とは売り方が違います。そのため、自分たちで営業組織を立ち上げようとしたものの、SaaSの営業のノウハウが自社になかったことから、当社にお問い合わせをいただきました」(満田氏)

 出久地氏によると、コニカミノルタはすぐに「カクトクPro director」の導入を決めたという。その理由の一つが、「オーダーメイド型の営業組織を構築できる」ことだ。

「当社は約5,000人の営業職のデータベースを持っていて、クライアント企業にとって最適な人材を選んでチームを組めるという柔軟性があります。今回であれば、SaaSの営業の経験がある人材などを選ぶことができました。これが、他の営業代行会社とは違う、当社の強みです」(満田氏)

 もう一つは、コニカミノルタの担当者がカクトクの営業を実際に受けて、高く評価したことだ。

「初めてお話ししたのはオンライン商談でしたが、それが高く評価されたことが一番大きな決め手になったと思います」(出久地氏)

 COCOMITEの営業フィールド全体を請け負っているチームは、オフィスにデスクがあるわけではなく、完全にリモートワークだ。そのうち一人が営業ディレクターを務め、他のプレイヤーをマネジメントするとともに、コニカミノルタと密に連携を取りながら、営業戦略を実際に現場へ落とす役割を担っている。

「ただ、営業ディレクターに任せ切りにしているわけではなく、打ち合わせはクライアント企業と営業ディレクター、それに当社の3者で行なうのが基本で、情報も3者で共有しています。クライアント企業が営業ディレクターのディレクションに不安を抱いていないか、営業ディレクターがクオリティの高い仕事をしているかを確認するのも当社の役割です」(出久地氏)

 

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