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タイトル「13.5文字」で惹きつけるには…読み手を唸らせる“キャッチコピー”術

2021年03月01日 公開
2023年02月21日 更新

鎮目博道(映像プロデューサー)

キャッチコピー

「興味をひく」いくつかの方法

この、「見出しで記事内容を読んでみようと思わせる」工夫こそが、キャッチコピーを考える上で非常に大切な要素になってきます。

それを限られた文字数のなかでやるのですから、練習すると非常に勉強になります。ニュースの見出しは、キャッチコピーの先生なのです。

私が修了したデジタルハリウッド大学大学院では、広告代理店の現役コピーライターの先生が実習としてこの課題を出していました。自分が日頃からやっていた練習と同じことをコピーライターの方もしているのだということを知り、嬉しかった覚えがあります。

さあ、さっきのビーフストロガノフで考えてみましょう。どうしたら記事を読みたくなるでしょうか?

「超絶美味 ビーフストロガノフ」でもいいかもしれませんが、読まなくても何となく見出しで記事の想像がついてしまい、よほどのビーフストロガノフ好き以外は読まないかもしれません。

だったらまだ「ビーフストロガノフに男泣き」のほうが、「何で泣いたんだろう?」と思う分、記事を読んでみようと思うかもしれませんね。

実は見出しで全て記事の内容を明かさず、疑問を残して興味を湧かせるというテクニックもあります。

このへんは、どんな見出しが好きか? という個人の趣味の問題にもなってきますので、あくまで「私が好きな」という個人的な話として参考までに読んで欲しいのですが、疑問を残すなら、例えば「ビーフストロガノフ」という料理の名前を明かさないという手もあるわけです。

そもそも長い料理名なので、使わなければ自由になる文字数も増えますしね。

例えば「ビーフ」の要素だけを残して、「人生最高の『肉料理』発見!」などとする手もあるかもしれません。

「ロシア料理」の要素を残せば、「絶品ロシア料理に感動! の夜」などという方法もあるかもしれませんよね。

とにかく自由に、どこを隠して読者を惹きつけるか、を考えると楽しいです。

 

「観察」と「練習」でスキルアップ

こうした「人を惹きつけるキャッチコピー」の制作能力は、「観察」と「練習」を重ねていくことでどんどん上達するものです。しかも、テレビでニュースを見たり、Yahoo!ニュースなどのニュースサイトを見るたびに「観察」と「練習」ができるのですから、とても簡単です。

やらない手はありません。どうせ嫌でもニュースは見ざるを得ないのですから、ボーッとニュースを見ていたらもったいないと思いませんか?

まず、ニュースを見るたびに、見出しやタイトルを観察してください。この見出しはどこをどう工夫しているだろう?そして自分はどのへんを魅力に思うか? あるいは気に入らないか?

それを考えるだけで、ずいぶんとあなたのキャッチコピー制作能力は向上するはずです。そして、時間や心に余裕がある時には、「自分だったらこのニュースにどんな見出しをつけるだろうか?」と考えて、練習をしてみればさらに実力はアップします。

人によっては、直球ど真ん中のストレートな見出しに惹かれるかもしれません。人によっては、テクニックてんこ盛りの「策士」な見出しに魅力を感じるでしょう。

それは、どちらでも良いのです。自分がどういう表現を好むか、を見つけるところから徐々に「自分色」を見つけていくつもりで日々ニュースに接してみてください。

 

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