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棚橋弘至の「全力」お悩み道場3~愛のない叱責は受け流していい

2016年09月18日 公開
2023年05月16日 更新

棚橋弘至(プロレスラー)

人見知りで友達がなかなかできない

Q2 昔から人見知りで友達が少なく、頑張ろうと張り切ると空回りして結局うまくいきません。現在は数少ない二人の友達を大事にすることくらいしかできません。どうすれば緊張せずに人と話せますか。

人見知りする気持ち、すごくよくわかります。現在の姿からイメージしづらいかもしれませんが、僕は思春期のころ、極度の赤面症でした。中学の合唱コンクールでは誰も僕のことなんて見てないのに真っ赤になっていたし、好きな女子がいる教室の前もビビって通れなかった。勇気を持って一歩踏み出そうとしても、身体が言うことを聞かなくてダメなんですよね。
ただ、そんな僕でも友達は多かった。だから心配する必要はない。人見知りでも、必ずいい友達はできるはずです。

お勧めは逆転の発想です。普通は「誰かいい友達になってくれないかな」と考えますよね。でも、これは相手を主語にした受け身の考え方。そうではなく、「自分は誰かのいい友達になれるだろうか」と自分を主語にして考えるのです。自分を主語にすると、自然に周りのことを考えて動くようになるし、相手を思って行動する人は強いエネルギーを発するから、人が引き寄せられてきます。これなら別に、自分から「友達になろう」と言わなくてもいいんです。

むしろこの方の場合、「張り切ると空回りする」というのが心配ですね。友達を作ろうとする姿勢は、とてもいいと思います。でも、無理してテンションを高めているときにできた友達って、結局、長続きしないんですよ。だから頑張りすぎず、普段のありのままの自分でいるときに波長が合う人を大事にしたほうがいいです。

相談者さんには、親友が二人いるわけですよね。きっとその二人とは波長が合うだろうし、仲良くなったきっかけにも何か共通するところがあるはず。過去にうまくいったパターンを分析して、似たことをやってみるのもいいと思いますよ。

 

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著者紹介

棚橋弘至(たなはし・ひろし)

プロレスラー/新日本プロレス所属

1976年、岐阜県生まれ。98年、入門テストに合格。99年、立命館大学法学部を卒業後、新日本プロレスに入門。同年デビュー。2003年、初代U-30王者。06年、IWGPヘビー級王座を初戴冠。09年、11年プロレス大賞MVP。14年、第7代IWGPインターコンチネンタル王者に。第45代、47代、50代、52代、56代、58代、61代IWGPヘビー級王者。著書に、『全力で生きる技術』(飛鳥新社)など。

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