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「クレジットカード」のおトクな選び方・使い方とは?

2016年10月04日 公開
2023年05月16日 更新

菊地崇仁(ポイ探代表)

 

ゴールドカードを持つよりは、プラチナカードを

 30~40代になると、ゴールドカードを持ちたいと考える人も多いでしょう。しかし、今はさらに格上のプラチナカードやブラックカードがあるので、ゴールドカードは正直に言って微妙な存在(ただし、ゴールドカードが最上級のカードは別です)。ゴールドカードの付帯サービスは中途半端なものが多いのです。たとえば、ゴールドカード保有者が利用できる空港のラウンジは、羽田空港など一部を除いて手荷物検査場前にあるため、それほどゆっくりできません。そのうえ、同伴者は使えないといった制限もあり、実はそれほどメリットがないのです。それなら、年会費3万~5万円程度のプラチナカードを作ったほうが、良質なサービスを受けられて、おトク感が高いはず。とくにプラチナカードの特典である「コンシェルジュサービス」は、急な出張の手配から飲み会で使うお店探しまで、さまざまな要望に24時間365日いつでも応えてくれる優れもの。年に数万円で秘書を雇えると考えれば、意外と安く感じるのでは。

 

クレジットカードで電子マネーをチャージしよう

 電子マネーをチャージするとポイントが貯まるクレジットカードもあります。たとえば『nanacoカード』に『セブンカード・プラス』からチャージすると200円ごとに1ポイントがつき、さらに『nanacoカード』で買い物をしたときにもポイントがつくので、ポイントの二重取りができておトクです。

『ビックカメラSuicaカード』から『Suica』へのオートチャージでも1.5%相当のポイントがつき、さらにチャージした『Suica』を使ってビックカメラで買い物をすると10%のポイントがついて、合計11.5%相当のポイントがもらえるという、還元率の高い組み合わせもあります。

 ただし、ポイントがつくクレジットカードは電子マネーによって異なるので注意が必要。対象外のクレジットカードでチャージしてもポイントはつかないので、よく調べて使いこなしてください。

 

おトクなサービスがあっても、カードは4~5枚以上持たない

 手持ちのクレジットカードの枚数は最小限に絞ること。できれば1枚、多くても2~3枚が限度です。なぜなら、1枚のクレジットカードには多種多様なサービスが付帯していて、それらをすべて把握するだけで精一杯だから。海外旅行傷害保険やショッピング保険がついていたり、カードを提示するだけでレジャー施設や映画館、飲食店で割引きになったりと、会員ならではのおトクなサービスがたくさんあるのに、知らずに損をしている人は多いはず。1枚のカードですら使いこなすのは難しいのに、それが複数になればなおさらです。よって、使うカードは1枚に絞り、カード会社の公式ホームページで付帯サービスの最新情報をしっかり把握したうえで、その特典を徹底的に使い倒すのがコツです。

 

「貯めたポイントをマイルに交換して旅行しよう」とは考えないこと

 マイルに交換するために、クレジットカードでポイントを貯めている人も多いでしょう。確かにマイルは「無料で海外旅行をする」といった夢を実現できるおトクなサービスですが、そのメリットを享受できる人は限られます。マイルと交換できる特典航空券は、夏休みや年末年始に使える可能性がかなり低い。ですから、お盆と正月しか長期休暇を取れないサラリーマンの場合、マイルで旅行するのはほぼ不可能なのです。だったら、「ポイントは日々の買い物で使う」と現実的に割り切ったほうが、貯めたポイントを有益に使いこなせます。

 

《取材・構成:塚田有香》
《『THE21』2016年9月号より》

著者紹介

菊地崇仁(きくち・たかひと)

〔株〕ポイ探代表取締役

1975年、北海道生まれ。98年、日本電信電話〔株〕(現NTT東日本)に入社。2002年、退社して起業。06年、ポイント交換案内サービス『ポイ探』の開発に携わる。11年より現職。

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