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40代ビジネスマンがストレスを抱える理由

2016年10月13日 公開

吉岡俊介(シニア産業カウンセラー)

「建て前」を手放せば、心はもっと軽くなる

仕事をしている中でストレスを感じないことは難しい。しかし、それをできるだけ軽減したり、切り替えたりできれば、「つぶれる」ことはないだろう。職場において、なぜ40代はストレスを感じやすいのか。ストレスにつぶされないためには、どう心を切り替えればいいのか。さまざまな仕事の現場を見てきたシニア産業カウンセラーの吉岡俊介氏に話をうかがった。

 

「タテ・モード」の世界だけでは行き詰まる!

 私は産業カウンセラーとして、数多くのビジネスマンの働き方を見てきました。そして、たくさんの人がストレスでつぶれそうになっている現状も目の当たりにしてきました。

 ストレスでつぶれやすい人に共通する特徴は、「建て前にこだわる」ということです。自分の弱さを決して表に出さず、会社のルールや上下関係、完璧であることを優先する。これを私は「タテ・モード」の生活環境と名づけています。一方で、建て前にこだわらず、本音を優先する環境を「ヨコ・モード」と名づけました。

 タテ・モードでは、組織の階層構造に従うことが絶対とされます。よって下の者は上の立場の者の支配に服従し、抑圧とストレスを感じながら毎日を過ごします。職場の会話の中でも、説教や命令の口調が中心となり、「勝ちか、負けか」「善か、悪か」といった二元論的な価値観が横行し、指示を出されるときも、「今すぐに」「~せねばならない」といった強制的な物言いがほとんどです。“頑張る”ことが善なので、どんな状況であっても「頑張ります」と言います。

 よって建て前の世界で生きる人たちは、上から「明日までに書類を作成しろ」と言われると、反射的に「今すぐ完璧な書類を作らねばならない」と考えます。しかし時には、すでに大量の仕事を抱えていて、翌日までに仕上げるのはどうやっても無理という場面もあるでしょう。そこで「今は手一杯なので、明後日まで時間をいただけませんか」とか、「私一人では難しいので、Aさんに手伝ってほしいのですが」といった本音を言えれば、その人が感じるストレスは大きく減らせるはずです。

 この本音で振る舞うことができる生活環境こそが「ヨコ・モード」であり、解放やリラックスを得やすくなります。本音と向き合うことで自らの限界や、自分にとっての“適度”な仕事量が見えてくるのです。

「タテ・モード」で生きる人は、自分や他人に限界があることを認めようとしませんが、私たち人間はできないことがあって当然です。ですから「これ以上はもう無理」という心のSOSを感じたら、いったん仕事を切り上げたり、周囲の人に相談したりして構わないのです。こうして自分の限界を自覚し、「無理に頑張らなくてもいいのだ」と気づくことが、ストレスでつぶれないためには非常に重要です。

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著者紹介

吉岡俊介(よしおか・しゅんすけ)

シニア産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

1954年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、東京海上火災保険㈱(現・東京海上日動火災保険㈱)入社。2001年、早期退職。その後、男性学、男女共同参画、フェミニズムなどを学びながら、04年より近畿の地方自治体を中心に「男性の悩み相談」の相談員を務める。07年、カウンセリングルームのオフィスよしおかを設立。著書に、『産業カウンセラーが教える「つぶれない働き方」の教科書』(彩図社)など。

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