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「 残業ゼロ」でも成果を残す!

2016年12月21日 公開
2023年05月16日 更新

俣野成敏(プロ研代表)

今すぐやめるべき「7つの仕事」とは?

日々、忙しさに追われている中堅社員。だが、そもそもその仕事は本当に「すべき仕事」なのだろうか。仕事を効率的にこなすだけでなく、「やらない」ことを決めることで時間を効率化する手法を、多くのビジネスマンに働き方を指導してきた俣野成敏氏に教えていただいた。

 

「本当にすべき仕事か」を常に疑おう

 部下をマネジメントしながらプレーヤーとしても成果を出さねばならない今の中間管理職世代は、常に膨大な量の仕事に追われています。ただ、効率性のみ求められていた右肩上がりの時代と違って、現代は「チームでどれくらいの成果を上げたか」といった効果も求められる時代。

 そこで、効率的にチームの成果をあげるには、「いかに速くこなすか」から、「何をやらなくていいか」への発想の転換が必要です。

 では、やらなくてもいい仕事とは何か。ポイントは3つです。

 1つ目は「自分でなくてもできる仕事はやらない」こと。

 一般的に、立場が上がれば上がるほど給料が上がり、その分高い成果が求められます。にもかかわらず、部下でもできるような作業に取り組むことは、会社全体の生産性を考えれば大きなマイナスです。

 たとえば、議事録作りといった作業は、やり方さえ教えれば新人でもできること。自分の給料を時給換算して「これは本当に自分でやるべき仕事だろうか」と考える癖をつけ、すべきでないと判断したら誰かに任せてしまう。これだけでも負担は大きく減るはずです。

 2つ目は、「繰り返しの仕事や作業を極力しない」ことです。通常業務の多くは、過去に経験してきたことの繰り返し。こうした作業は、「過去のひな形を使う」ことで効率化できます。たとえば、メールの作成が挙げられます。過去に書いた文章の中から汎用性の高そうなものを保存しておき、それをベースにすれば、ゼロから書き始めるよりも時間を短縮できます。

 メールのみならず、資料作成などあらゆる業務について「ムダな繰り返し作業になっていないか」という観点で見直しを図ることで、効率的な働き方を実現できるのです。

 3つ目は「経年劣化した仕事をやめる」こと。今では価値がないのに、惰性で続けている仕事をやめることです。

 こうした作業は、探してみると結構あります。とくに部署移動の引き継ぎの際に明らかになることが多いもの。たとえば、かつて私が生産管理部門に異動した際、仕事の1つとして製品在庫の集計作業がありました。しかし、自動化すべく情報システム部と連携した結果、手作業そのものが必要なくなりました。このように、過去には当たり前に必要だったが今では不要な作業が、なんとなく続けられていたという好例です。

 こうしたムダな仕事を見つけるには、「後工程に聞く」方法が有効です。他部署や取引先に「私たちがやっているあの仕事、役に立っていますか」とヒアリングし、微妙な反応だったら、それはすでに経年劣化した仕事です。

 このように「しないこと」を決めるだけでも、今まで以上に時間的余裕が生まれ、より生産性の高い仕事に集中できるはずです。以下、その他6つの「やめるべきこと」をご紹介しましょう。

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明日からやめる仕事1 最後まで仕事をやり遂げない >

著者紹介

俣野成敏(またの・なるとし)

(同)プロ研代表

1971年、福岡県生まれ。93年、大手精密機械メーカー入社。2002年、会社の赤字転落が原因で30歳にしてリストラ候補に。そこで一念発起し、在庫処分を担うメーカー直販店を社内起業。30代で年商14億円の無借金企業に育てる。04年、33歳で現役最年少役員に抜擢。メーカー本体に帰還後、40歳で史上最年少の上級顧問に就任。12年に独立。複数の事業経営のかたわら、私塾「プロ研」を創設。著書に、ベストセラー『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)、『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』(上野啓樹氏との共著/クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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