THE21 » キャリア » 残業ゼロの企業に学ぶ「業務効率化のための6つのルール」

残業ゼロの企業に学ぶ「業務効率化のための6つのルール」

2017年08月14日 公開
2022年12月22日 更新

岩崎裕美子(ランクアップ代表取締役)

岩崎裕美子

夕方5時になると誰もいなくなる会社「ランクアップ」。子育て中の女性社員も多数活躍し、業績は10年連続右肩上がりで成長中。かつてブラック企業に勤務していたという岩崎裕美子社長は、いかにして残業ゼロの会社を作ったのか。そこには"のっぴきならない事情"があったという。(取材・構成=前田はるみ、写真撮影=まるやゆういち)

※本稿は、『THE21』2017年8月号特集「1時間以上早く仕事が片づく!すごい時短術」を一部編集したものです。

 

95%が女性社員! 時短は「不可避」だった

17時になると社員が一斉に退社する「5時ピタ」文化。それでも売上げは10年間右肩上がりの会社として知られる、化粧品通販「ランクアップ」。

ただ、社長の岩崎裕美子氏は、最初から残業ゼロを目指したわけではなかった。社員の95%が女性で、岩崎氏を含む約半数が働くママ。そんな同社独自の事情から、残業を"撲滅せざるを得なかった"のが実情だという。

「私は以前、"超ブラック"な広告代理店の取締役でした。私自身、仕事が大好きでしたし、同業他社に負けないよう、社員を夜中まで働かせていました。売上げは伸びましたが、女性が多かった職場の離職率は100%。有能な社員も、結婚や出産で長時間働けなくなれば居場所がなくなる、そんな会社に見切りをつけて辞めていきました。

私は当時、35歳で独身でしたが、将来結婚や出産をすれば戦力外通告されるのは自分も同じ。だったら『女性が一生活躍できる会社を作ろう』と思い、立ち上げたのが、『ランクアップ』です」

創業当初は、多少の残業は容認していた。しかし岩崎氏自身の出産を機に、残業ゼロを徹底するようになったという。

「19時に会社を出れば十分早いと思っていましたが、育児をしてみて、これは大変だと。保育園の送迎などの時間的制限や、子供の急な発熱などの突発事項を抱えながらの仕事は、生半可ではありません。

社員が安心して出産し、働き続けるためには、定時に帰れる会社にするしかないと決めました。そうでないと、女性が95%の当社では社員が辞めてしまいます。社員が辞めれば会社は成り立たず、私の創業時の想いも叶いません」

次のページ
「仕事の棚卸し」と「6つの社内ルール」 >

著者紹介

岩崎裕美子(いわさき・ゆみこ)

[株]ランクアップ代表取締役

1968年、北海道生まれ。短大卒業後、大手旅行代理店勤務を経て、広告ベンチャーの取締役営業本部長に就任。2005年、ランクアップ設立。ヒット商品「ホットクレンジングゲル」は累計販売数750万本を超え、現在社員数51名で約85億円を売り上げる。2013年には東京都の「東京ワーク・ライフ・バランス認定企業」の育児・介護休業制度充実部門に、通信販売業界で初めて選ばれた。著書に『ほとんどの社員が17時に帰る10年連続右肩上がりの会社』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

THE21 購入

2024年4月号

THE21 2024年4月号

発売日:2024年03月06日
価格(税込):780円

関連記事

編集部のおすすめ

61歳で起業した女性社長が「自分にも期待しない」納得の理由

村本理恵子(ピーステックラボ代表取締役社長)

出前館の成長を支えた女性社長の「給料月10万円で奮闘した3年間」

中村利江(日本M&Aセンター専務執行役員CCO)
×