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社会人なら知らないと損する「お金の常識」とは?【前編】

2017年09月30日 公開

大江英樹(経済コラムニスト)

「はじめての投資」の考え方

 さて、ここからはもし投資をするとすればどんな種類のものがよいのか、どうやって始めるのがよいのか、ということについてお話ししていきましょう。おそらく株式投資が最もイメージしやすいだろうと思います。少し投資のことを勉強した人なら「いや初心者には投資信託が向いている」と言うかもしれません。もしかしたら債券を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、さすがに少ないだろうと思います。

 株式投資というのは個別の企業の株を買い、配当金や値上がり益を狙うものです。投資信託は不特定多数の人がお金を出して1つの塊(=ファンド)を作り、そのお金を運用の専門家が株式や債券に投資をして利益を目指すものです。他にはFXや金への投資という人も多いでしょうが、これは長期的な資産形成に向いているとは言い難いと思いますので、ここでは取り上げることはしません。

 私はこれから投資を始めようと考えている人は、まず株式投資から始めるのがよいと思っています。何よりも投資で一番大切なことは自分の頭で考え、判断することですから、投資信託のように人に運用を任せるよりも、投資に対してずっと真剣に向き合うことができるからです。第一、経済や金融の勉強にもなります。

 ただ、初めての人が株式投資をするにはいくつかのハードルがあります。まず株式投資をするためにはいくつかの基礎的な知識が必要ですし、ある程度勉強もしなければなりません。日々仕事で忙しい人にはとてもそんな時間の余裕はないでしょう。それに十分な知識を持たずにいきなり株式投資を始めた場合、日々の価格変動に惑わされて、間違った判断をしがちになってしまうというのも人間の心理としては起こりうることです。

 そういうわけで、実際には投資信託から始めてもよいと思います。前述のように個人的には株式投資の方が「投資の王道」に近いと感じていますが、忙しくて時間のないサラリーマンや、まだあまり十分な金融資産も持っておらず、収入もそれほど多くない若い人が投資を始めるには、むしろ投資信託を使うのが合理的だろうと思うからです。

なぜ、忙しくて時間のない人や、収入の少ない人に投資信託がお勧めなのか? その理由を述べる前に、もう少し「投資信託」について、説明したいと思います。

「投資信託」とは一口に言えば、株式や債券といった有価証券を1つのパッケージにした缶詰のようなものです。ただし、中身に何が入っているのかがわからない缶詰ではなく、どういう株や債券が入っているかが公開された透明な缶詰なのです。

 普通の株式投資が、投資する会社を自分で選ぶのに対して、投資信託ではそれを選ぶのを運用者に任せます。言わば自分のお金の運用、投資を人に任せるというタイプのものです。ゆえに、株式投資とは違って、日々判断に迫られるということはないので、忙しいサラリーマンには向いていると言えます。

 もちろん利益が出ればそれはすべて投資家のものですが、逆に損が出てもそれは投資家が負うべきものです。いくら人に任せたからと言って、運用者に責任があるわけではなく、結果は任せた自分が責任を負うということなのです。

 では投資信託のよいところはどういうところなのでしょうか。それは何といっても少額で広く分散投資ができるという点に尽きます。極端なことを言えば1つの投資信託を1万円購入することで世界中の株式に投資することができるのです。ゆえに、収入の少ない人にもおすすめの投資方法だと言えます。投資信託という仕組みができ、しかもそれが小口化していったことで投資というものがぐっと身近になったことは間違いないでしょう。

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著者紹介

大江英樹(おおえ・ひでき)

経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングに従事。定年後の2012年にオフィス・リベルタス設立。現在、年間140を超える講演、月12本の連載を抱え、多忙な日々を過ごす。著書に『定年男子 定年女子』(日経BP社・共著)など多数。

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