1分でできる 簡単体操で もう転ばない!
2019年08月23日 公開 2019年08月23日 更新
「グッドタイム リビング 調布」のみなさんと体を動かす
いつまでも元気に動ける体をキープするには、転倒予防がとても重要。
そこで今回は、座ったままできる簡単ストレッチと運動を運動機能の低下・老化の対策やその予防法に詳しい日本福祉大学の荒深裕規先生に教えていただきました。
荒深裕規(日本福祉大学)
日本福祉大学社会福祉総合研修センターコーディネーター。愛知学院大学、同朋大学などの非常勤講師も務める。社会福祉協議会や保健所などにて、認知症予防やロコモティブシンドローム予防の指導も積極的に行なっている。
取材・文:熊本りか 写真:増田元太
筋力低下が転倒の危険因子
転倒の危険因子として無視できないのは、加齢です。筋力が衰えて脚が上がらず“すり足”で歩くことが多くなるぶん、ちょっとした段差でもつまずきやすくなります。さらに骨ももろくなるので、小さな衝撃にも耐えられなくなってしまうのです。中でも、「太ももの付け根」は骨折しやすく、ここが折れると「寝たきり」になる危険性が高くなります。
動けない時間が長引けば、体全体の筋肉や脳の機能の低下にもつながります。だからこそ、意識して体を動かすことで筋力をキープし、転倒を予防することが、健康寿命を延ばすためにも非常に重要なのです。
簡単なストレッチと運動で転倒は防げる
そこで、転倒予防に効果的な簡単ストレッチを荒深先生に教えていただきました。
今回体験したのは、東京・調布市にある有料老人ホーム「グッドタイム リビング 調布」の入居者のみなさん。元気な毎日を送っていても、「転倒が心配」という声も多く、熱心に荒深先生のお話に耳を傾けながら、積極的に体を動かしていらっしゃいました。
荒深先生によると、転倒を防ぐために大事なのは、「股関節の可動域が広いこと」「足首の柔軟性があること」「太ももの前面の筋力があること」「すねの筋力があること」の4点。
ストレッチは、1日に合計20秒以上やると効果的。10秒ずつ2回でもOKです。短い時間でもいいので、毎日継続して行ないましょう。
座ったままできる! 簡単体操
ストレッチ 1 前屈(腰伸ばし)
両手をひざ、すねと移動させながら、ゆっくりと前屈し、その後、ゆっくり戻す。戻す際は、腰、背中、首、頭の順に戻していく。
ストレッチ 2 伸び(体側)
両手を組んで手の平を下にしたまま上に伸びる。左右どちらかにゆっくり倒していく。一度戻したら、反対側にも倒していき、再び戻していく。
ストレッチ 3 太ももの裏のばし
どちらかの脚のひざを伸ばしてかかとを床につけ、息を吐きながら体を前に倒す。椅子から落ちないように肘置きなどをしっかり握って行なうこと。反対の脚も同様に行なう。
4 ウォーキング ららふるフットウォーク
椅子に座ったまま、足裏を使って、ベルトを奥から手前にくるくる回す。目安は1日1分。継続することで太ももの前面の筋肉が鍛えられ、歩行や立ち上がりがしやすくなり、転びにくい歩き方にもつながる。
5 ダンベル ららふるフットダンベル
椅子に座ったまま、つま先でダンベルバーをゆっくり上げ下げする。1日1分でOK。習慣にすることで、すねの筋肉を鍛え、つま先が上がるようになり、つまずき防止に効果が期待できる。
6 やわらか足首 ららふるフットストレッチボード
椅子に座ったまま両足をボードに乗せ、狙った数字にボールが動くよう、足首を動かす。1日3分を目安に継続して行なえば、足首の柔軟性を高め、歩行を安定させたり、脳トレにも効果あり。
体験したご感想
ひざが悪い私でもできました 松本宏子様・88歳
何度も転倒した経験があり、そのたびにつらい思いをしてきたので、今日教えていただいたストレッチを続けて、もう2度と転ばないようにしたいです。
座ったままできる『ららふるフットウォーク』は、ひざが悪い私でも無理なくウォーキングができて、うれしかったです。
簡単に足首を鍛えられました 堀越恒男様・87歳
もっと難しいのかと思っていましたが、簡単なものばかりで驚きました。これなら、誰でも気軽にできると思います。
私は足首を鍛えたいと思っていたので、『ららふるフットダンベル』がとても良かったですね。毎日続けることが大切だと思いました。
頭の体操にもいいですね! 黒澤清祐様・88歳
『ららふるフットストレッチボード』はちょっと難しかったですが、その分、頭の体操にもなりそうです。もう一度やってみたいです。
「グッドタイム リビング 調布」スタッフのコメント
椅子に座ったままでも行ないやすいストレッチが多かったので、早速毎日の体操に取り入れています。