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日本人はすぐに使うけど…その英語、ネイティブはウンザリしています!

デイビッド・セイン(英語学校「エートゥーゼット」校長)

2012年08月08日 公開 2024年12月16日 更新

※本稿はデイビッド・セイン著『日本人が「使いすぎる」英語』より一部抜粋・編集したものです(イラスト:石村紗貴子)

 

 はじめまして。デイビッド・セインと申します。
 25年前に来日して以来、ずっと日本人に英語を教え続けています。

 

日本のみなさんはとても努力家。でも、熱心に取り組んでいるのに、「私は英語ができます!」と自信を持って言えるようになる人が、なぜかあまりいません。

長年英語を教えている中で、その原因の1つに気づきました。それは、「日本人だけが頻繁に使うお決まりフレーズがあり、そればかりを使ってしまうために一歩踏み込んだコミュニケーションがとれないままでいる」ということです。

具体的にどんなフレ-ズがというと、Thank you very much. You are welcome. などがそうです。お礼やお礼への返事というと、なぜか毎回、教科書で習ったこの2つのフレーズしか出てこないのです。

もちろん2つとも間違いではありませんし、ネイティブだって使います。ただ、ほかにもいろいろな言い回しがあり、ネイティブはそれを使って豊かな表現をしています。

そのため、日本人と接する機会が多いネイティブの中には、毎回同じフレーズを使う日本人を不思議に思ったり、社交辞令的で心がこもっていないように感じる人が少なくないのです。

 

さきに紹介したようなワンパターンな表現は、「またか」と思われる程度で相手が怒り出すことはないでしょう。でも、「日本人が使いすぎる英語」にはもう1つパターンがあり、こちらはさらに注意が必要。

 

このように、何かを勧められたときに No,thank you. とだけ言うと、相手には「けっこう」とそっけなく拒否しているように聞こえてしまうこともあるのです。

また、時間を聞くときに日本人がよく使うWhat time is it now という言い方。実はその前に何度か時間を聞いていて、「で、今は何時?」と聞くときのフレーズなのです。

合っているはずなのに、丁寧に言ったはずなのに、ネイティブの反応が思っていたものと違ったときは、こうした「日本人が使いすぎる英語」を使っている可能性が大です。

自信がないからかって教科書で習った定番フレーズばかりを使う→その定番フレーズではネイティブに意図が伝わらない→苦手意識がぬぐえない、という負のスパイラルに陥っている人が多いように思います。

 「じゃあ、いったいどうすればいいの?」と不安になるかもしれませんが、心配は無用。実はネイティブはもっとシンプルな表現を使っていることが多いのです。例えば、お礼に対する返答は You are welcome. → My pleasure. でOK。違う表現を使うことで、ぐっと自然な言い回しになり、ネイティブともスムーズにコミュニケーションがとれるはずです。

本書では、私がレッスンの中で気づいた「日本人が『使いすぎ』なフレーズ」を200近く挙げ、ネイティブに好感を持たれる「言い換えフレーズ」も併せて紹介しています。実際の会話ですぐに使えるように、「言い換えフレーズ」はなるべく簡単なものを厳選しました。 (記事の最後に一例を紹介しています)

「言い換えフレーズを新たに覚えるのは大変」と思うかもしれませんが、ご安心ください。本書は持ち運びがラクな文庫本ですので、まずは旅行先などに持っていき、これを見ながらフレーズを使ってみましょう。

 

このように言い方に少し変化をつけるだけで、相手の反応はぐっと変わります。気持ちがきちんと伝われば、英語を話すことがどんどん楽しくなるはずです。

最後に、くれぐれも忘れないでほしいのが、「使いすぎ」は「使わない」よりまし、ということ。語学上達の最大の秘訣は、失敗を恐れずにたくさん使っていくことですからね。

Don’t worry about mistakes―just try!
 David A.Thayne+エートゥーゼット

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 ☆本書で取り上げた“「使いすぎる」フレーズ”には、2種類のマークがつけてあります。

日本人があまりにも頻繁に口にするので、ネイティブは「またか…」と思うフレーズや、言い方によっては違うニュアンスで伝わってしまうフレーズ。

日本人は正しい英語だと思ってよく使うけど、ネイティブには別の意味に伝わってしまうフレーズ。

ここでは、それぞれ1項目ずつ紹介します。

 

[日本語を話されますか?]
  Can you speak Japanese?

Can you speak Japanese? といってしまうと、「日本語しゃべれるの?」と能力を尋ねるニュアンスがあり、また、「日本語で話して」というニュアンスにもなるので、失礼と感じる人もいるかもしれません。 Do you speak Japanese? であれば、「日本語を話されますか?」とあたりさわりのない言い方になります。

【言いかえ:イチオシ!】 Do you speak Japanese?
 Do you ~?で「~しますか?}と尋ねるときのフレーズ。

【言いかえ:カジュアル】 Do you happen to speak Japanese?
happen to が入ることで「ひょっとして」というニュアンスが加わり、「ひょっとして日本語を話されたりします?」とフレンドリーに聞くことができます。

【言いかえ:これもOK!】 Did you learn any Japanese words?
相手が日本にちょっとでも行ったことがある人であれば、「日本語は何か習いましたか?」という意味で使えます。

 

[おかけください]
  Sit down, please.

please がついているので一見丁寧な言い方に見えますが、実は母親が子供に「ご飯ができたから座りなさい」と言うときによく使うフレーズ。したがって、身内以外に使うと失礼に感じる人もいるので要注意です。

【言いかえ:イチオシ!】 Have a sheat.
「おかけください」と丁寧に椅子を勧めるときの表現です。

【言いかえ:ていねい】 Would you care to sit?
Would you care to~?で「~しませんか?」と相手に提案をするときの丁寧な言い方。
 

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