オリラジ中田敦彦が痛感した「Youtuberと芸能人の差」
2019年02月06日 公開 2019年02月27日 更新
若手Youtuberだからこそ見えること
偉大な芸術家の足跡を語る本などを読んでいると、時々不思議な共通点を見つけることがあります。
「後輩を猛烈に意識する」という点です。
かの手塚治虫は、最晩年まで若い才能に関心を持ち続けていたそうです。若い漫画家の手法を研究し、吸収しつづけたとか。
写真家の篠山紀信さんが一時期、「シノヤマキシン」という名義で作品を出していたのも、後輩を意識してのことだったと言われています。そのとき勢いのあった若いカメラマンが、カタカナ名を使っていたから。ほかにも、常に若くて勢いのあるカメラマンの撮り方を真似てみるという習慣もあると聞きました。
その心中はどのようなものなのでしょう。
大御所であればあるほど、「後輩を見習うなんてありえない」と考えるはずです。しかしその壁を越えたからこそ、偉大な芸術家となったのかもしれません。
私は、そこまでのキャリアも偉大な足跡もありませんが、「後輩を見習う」という姿勢は大事にしています。
かつて、後輩の8.6秒バズーカーのネタ「ラッスンゴレライ」を完コピしたのも、若くしてブレイクしている芸人を見て何かを吸収しようというリスペクトからでした。
キャリアが長くなればなるほど「教科書」は少なくなってくるものです。ならば若いヒットメーカーから吸収しない手はありません。
今私がお手本にしたいのは、YouTuberたち。
フィッシャーズ、カリスマブラザーズ、水溜りボンドといったイキのいい、YouTuberがいたら積極的に会いに行き、面白い動画制作のコツを聞きます。
というのも、RADIOFISHの動画の作り方で手詰まり感を感じているからです。「君たちのように注目されるには何が必要なの?」と教えを乞うと、色々と興味深い視点を提供してくれます。
カリスマブラザーズと話した時には、意外な発見がありました。
「中田さんの乗ってる車って何ですか」と彼らは聞くのです。
「俺、セレナだよ」
「意外ですね! そういうのが面白いです!」。
そんなことが面白いのかよ! 思わず仰け反りました。
彼らの見解はこうです。YouTubeというメディアは、送り手と視聴者の距離が非常に短い、と。だからYouTuberが見せるものはプライベート感の強い、ときには生々しいものになる。
その点、芸能人はそこまでさらけ出すにはリスクが多くて、どうしても無難なトーンに落ち着く。
芸能人がYouTubeでなかなかブレイクスルーできないのは、そのあたりが理由ではないか、と(その中で注目を集めているカジサックことキングコングの梶原雄太さんは、本当にスゴイ!)。
とても考えさせられました。これからの動画関連事業にどう反映させていくかはまだわかりませんが、こうした若い人たちの意見を聞くことは、非常に意味のあることだと思っています。