こんな相手とは、雑談不可能!?凍りつく沈黙の気まずさを解凍する、3大アプローチとは?
2020年03月16日 公開 2023年10月13日 更新
怒っている相手をなだめる「太陽政策」とは?
第二に「太陽政策」がある。これは性格上、できる人とできない人がいるのだが、我が母、ミセス・パンプキンが名人芸の域に達している高等テクニックだ。これは、凍りついた気まずい空間でも、自分は腐ることなく明るい笑顔と声で楽しそうにふるまい、周囲の雪解けを促す戦術である。
たとえば、私が交際相手と言い争いをして、というか正確には一方的に怒られて、せっかくの両家の親を招いた宴席が凍りつかんとしているときに、いかんなく発揮される。誰かが突然怒り出すと、皆がシーンとお葬式モードになるものだ。
しかしパンプキンは、私に「親の顔を立てて人徳の高さを見せなさい!」と耳打ちし、別に誤解などないのに「架空の誤解」のせいにして「誰も悪くない」と逃げ道を作る。
そして明るい笑顔と話し方で、本来ならば永久凍土になるはずの場を、驚きのスピードで解凍するのだ。
最後に第三の手段として私がお勧めするのが、「禅戦略」である。これはある種、前述の「太陽政策」と共通している方策だ。つまりこちらの精神態度を変えることで、相手の精神状態に好影響を与えるアプローチである。
「苦手な相手と一緒にいる、どうしよう気まずい、話すこともないし……」という混乱状態から、禅という単語が示すよう、自分の心を落ち着けて、相手の精神状態も落ち着かせるのだ。
人間には脳の「ミラーリング効果」と呼ばれる性質があり、一方の精神状態、脳波の状態は相手にも伝わる。
たとえば相手がイライラして不機嫌だと自分も居心地悪くて不機嫌になるが、ものすごく平静で不動心でアルファ波を出しまくっている人が目の前にいると、ありがたいお坊様の説法を聞いているような気持ちになり、ニルヴァーナ(仏教でいうところの、涅槃[ねはん]の境地)に到達できるものなのだ。
これは、たまにまったく猛獣を怖がらない人がライオンやトラと仲よく暮らしているときにも見られる現象だ。向こうが信頼して笑顔で落ち着いた声でなでてきたら、さすがの百獣の王も、ガオーと叫んでかみつくことはしないのである。
さぁ、相手と会話が続かず気まずくなったら、心の中で抹茶を入れて、お椀を3度回そう。
そして「結構なお手前で」と心の中でつぶやきつつ、自分の心に平安を取り戻すことで、相手も平安、皆が平安という「心の平安時代」を実現しようではないか。
(教訓)
話すことがなくて気まずいときは、先に礼儀を示す「先制攻撃」、明るさで雰囲気を良くする「太陽政策」、そして心を落ち着けて相手も落ち着かせる「禅戦略」で乗り切ろう。