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「転職先なしに陥る人」と「上手に転身できる人」の決定的な“意識の差”

黒田悠介(ディスカッションパートナー)

2021年04月26日 公開 2024年12月16日 更新

職場で次に進めるポジションが業務削減などで消えてしまい、企業内で行き詰まってしまう。年齢的にも転職先の枠が少なくなってきて、このまま同じ仕事をするべきか迷う。

しかし、別の仕事が今からそう簡単にできるのだろうかーこのようなキャリアチェンジにまつわる悩みは、社会人に常に付きまといます。

コロナ禍もあり、大きなキャリアチェンジに迫られる人も増え、転職市場も佳境を迎えています。厳しい就職事情の中でわたしたちはどうやって無理ない範囲で、自分の業務を転身させられるでしょうか。

※本記事は、黒田悠介著『ライフピボット』(インプレス)より一部抜粋・改編にてお送りします。

 

自分の可能な範囲で転身を目指す

隣接可能性とは、アメリカの理論生物学者であるスチュアート・カウフマンが提唱した考え方で、企業のイノベーション論においても引き合いに出されることがあります。

ご存知のとおり、人間はサルから進化したのであって、生命が誕生する前の地球にあった化学物質からいきなり錬金術のように人間ができあがったわけではありません。

同様に、アミノ酸、核酸などの物質が徐々に発生し、目を持ち、骨格を持ち、長い時間をかけて生命的なピボットを繰り返した結果としてサルが生まれたのです。

このような、既存の要素の組み合わせによって初めて見いだされる可能性をスチュアート・カウフマンは隣接可能性と呼んだのです。

この隣接可能性という考え方をイノベーションに当てはめると、スマートフォンの誕生は以下のように説明されます。

人間がいきなり誕生したのではないのとちょうど同じように、何もないところからいきなりスマートフォンが作られたわけではありません。

通信やバッテリーの小型化、タッチセンサーなどの各種技術があったからこそ、その組み合わせでスマートフォンが生まれたのです。それまでの技術があったからこそ、スマートフォンは隣接可能性として見いだされたと言えます。

そして、そのスマートフォンがなければ生まれなかったアプリやサービスもたくさんあり、それらもまたスマートフォンの誕生で新たに見いだされた隣接可能性です。

 

自分のやってきたことに近い業務=隣接可能性

それまでの仕事を通じた「三つの蓄積」(スキルセット・人的ネットワーク・自己理解)が隣接可能性を切り拓き、転職・企業・副職などの形で転身先に移動できるようになります。

では実際に、どういったカタチで隣接可能性が見いだされるのでしょうか? 

その説明のために、最近増加傾向にある新しい職業を例に挙げます。それまでなかった職業なので、ほとんどの人が他のキャリアから流入していることになります。まさに隣接可能性の例にふさわしいでしょう。

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グラフィックレコーダーという可能性

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