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「徘徊にも必ず理由はある...」 認知症の人と暮らしやすくする5つのコツ

筧裕介(NPO法人イシュープラスデザイン代表)

2022年03月29日 公開 2022年07月13日 更新

高齢化が進む現代社会において、いずれは誰もがなる可能性のある認知症。しかし、その社会的な理解は、まだ充分とはいえません。認知症の人がとる行動には、必ず本人なりの理由があります。背景を知ることで理解を深め、お互いにストレスのない暮らしをめざしましょう。

※本稿は月刊誌『PHP』2022年4月号より抜粋・編集したものです。

 

認知症の人に起こっていること

認知症とは、おもに加齢などが原因で認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態のことです。認知症の人にはいったい、どんな問題が具体的に起こっているのでしょうか。

たとえば、「おなじものを何度も買う」という症状をひとつとってみても、その理由は記憶のトラブルであったり、時間感覚のトラブルであったりとさまざまです。

どうしてそういう行動を取るのか、どうして今までできていたことができなくなってしまうのか、その背景にある理由がわかれば、対処法が見えてきます。すると、本人もまわりの人も一緒に暮らしやすくなるのです。

 

認知症とつき合うコツとは

本人はうまく説明できないジレンマを、まわりの人は何をしてあげればいいのかわからないもどかしさを、それぞれに感じている場合が多く見られます。

認知症はほぼ薬がないうえ、予防を重視する風潮があるために、すでに発生している症状や障害との共生については後回しにされているのが現状です。誤った理解や偏見をそのままにしておくのではなく、認知症の世界の実態を正しく知ることで、自分や家族が認知症になっても、暮らしやすい生活を送ることができます。

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