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1年で最も冷え込む「寒」は何日間? “二十四節気”で味わう四季の変化

山下景子(文筆家)

2022年12月23日 公開 2023年06月14日 更新

 

「春分」2023/3/21~4/4

●季節の象徴的なもの:夢見草

春分の日は、昼と夜の時間がほぼ同じになります。また、太陽がほぼ真東から出て、真西に沈む日です。そこから、西の彼方の極楽浄土に最も近づける日と考えられました。

春分の日を中心とした7日間が彼岸です。このころ咲くことから「彼岸桜」と名づけられた早咲きの桜もありますが、染井吉野も年々開花時期が早くなって、近年ではこの時期に咲くようになってきました。夢見草は桜の異名。夢見草が咲けば、いよいよ春本番です。

 

「清明」2023/4/5~4/19

●季節の象徴的なもの:黒燕

清浄明潔を略して清明になったのだとか。その名前通りのすがすがしく明るい光が降り注ぎます。桜に続いて、お花ラッシュといいたいくらい次々と花が咲いていく時期です。渡ってきた燕も、軒先などで巣作りを始めます。

昔の人は、こんな燕を「里燕」(さとつばめ)と呼び、歓迎しました。たしかに、日本で繁殖する燕にとっては、里帰りのようなものかもしれません。気持ちよさそうに飛びかう里燕。私たちも快い季節を満喫したいですね。

 

「穀雨」2023/4/20~5/5

●季節の象徴的なもの:春雨

穀雨(こくう)は、百穀、つまり多くの穀物を潤す雨のことです。総じて春の雨は、細く静かに降るのが特徴です。そんな雨が、穀物だけでなく、すべての植物をはぐくんでいくのです。

春雨が何日か続く場合は、菜種梅雨と呼ばれます。菜種は、菜の花の別名。菜の花が咲いている時期の長雨という意味です。長雨といっても、菜の花の明るい黄色のせいか、暗い印象はありません。お出かけするのも苦にはならないと思えるやさしい雨です。

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