地震、台風、土砂崩れ、災害大国日本でイザというとき...あなたは愛鳥を守れますか? 今後30年以内に首都直下型の地震や南海トラフ大地震の発生が予想され、危険が及ばない可能性がある場所は今や少なくなっています。
本稿では「日常の備え」「発災直後」「避難生活」をテーマに、家族同然の愛鳥と、どんな災害も"一緒に生き残る"方法を考えます。
※本稿は、『決定版 鳥と一緒に生き残る防災BOOK』(日東書院本社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
愛鳥を守るための心得
まず第一にあなたが助からなければなりません。あなたが助からなければ、たとえ愛鳥が生き残ったとしても、その後面倒を見てくれる人が現れるかどうかわからないのです。
ですから「鳥のための防災」も必要ですが、その前に「人のための防災」ができていることが基本。地震や火災への対策、いついかなるときに避難すべきかの判断、最寄りの避難場所へのルートなど、基本的な防災知識を得て、災害対策を行いましょう。
鳥のための防災は、人のための防災のうえに成り立つのです。
また、災害時にペットを連れて同行避難するのは飼い主の原則ですが、命の危険を冒してまで遂行するべきものではありません。
実際にペットを連れ出すために自宅に戻った飼い主が災害に巻き込まれなくなったなどの事例がありますが、このような悲しい事故は避けたいもの。自分の命を守ったうえで愛鳥をどうしたら守れるのかを考えてください。
モノの優先順位と保管場所
災害時に必要なモノすべてを一度に持ち出すことはできません。運び出せる重さは女性の場合10kg以内。もちろん愛鳥を第一に運び出さなくてはなりませんから、その分持ち出せるものは減ります。
差し当たって必要なモノを厳選して、最初に持ち出す1次の非常袋に入れて。その他の備蓄品は2次の品として、安全が確認できたら運び出します。備蓄品や非常用品は1か所だけでなく家のあちこちに分散して置くと◎。
保管場所が潰れて取り出せなくなるリスクを減らします。温度変化の少ない室内には食品、屋外の倉庫には新聞紙やガムテープを収納するなど、モノに合わせて保管場所を選んで。
0次の備え:普段の持ち物
1次の備え:非常時に最初に持ち出すもの。安全に運べる重量内で用意
2次の備え:避難が長期化した時の備蓄品。たっぷりあると◎