いま若い世代の間では、「一重まぶた」が人気を集めています。かつては「二重に憧れる」のが一般的でしたが、いまは一重まぶたの魅力が国際的にも認められ、美の価値観そのものが大きく変わりつつあります。韓国や日本の芸能界・モデル業界でも一重まぶたを活かした人が活躍し、海外ブランドの広告にも一重まぶたのモデルが多数起用されるようになりました。こうした時代の変化や子どもへの伝え方について、女性医療クリニックLUNA理事長・LUNAメディカルビューティーラボ所長で、女性の美と健康を幅広く支える関口由紀先生にお話を伺いました。(文・吉澤恵理)
一重まぶたのモデルが国際的に高評価される時代
――最近、芸能界やモデルで一重まぶたの人が活躍している気がします。本当に人気が出ているのでしょうか?
はい。韓国俳優のキム・ゴウンさんやパク・ソジュンさん、日本の鈴木亮平さんやモデルの富永愛さんのように、一重や奥二重を活かした方が国際的に高い評価を受けていますね。美の価値観が大きく変化してきているのを感じます。
「天然二重なのに一重にしたい」という相談も増加
――二重に憧れる人が多いと思っていましたが、一重に憧れる人も増えていますか?
実際にいます。天然で綺麗な二重なのに「一重にしたい」と希望される方も少なくありません。また、一度、二重整形手術を受けた方が「一重に戻したい」という相談も増えてきています。
二重から一重への修正は医学的に可能だが不自然になることも
――二重から一重にすることは可能なんでしょうか?
医学的には、二重の幅を狭めて奥二重や一重に近づける手術も可能です。二重整形手術の後に広すぎる二重を修正するケースで行われることがあります。
ですが、自然な二重を一重にすることは、不自然になることもあり、積極的に受けない医師の方が多いと思います。
欧米では一重まぶたが「エキゾチックで美しい」と評価
――海外では、一重まぶたはどう見られているのでしょうか?
一重まぶたは東アジア人ならではの特徴です。欧米では、豊かな黒髪と切れ長の目を持つ人をエキゾチックで美しいと評価しています。実際、海外の一流ブランド広告には、日本の常識からすれば意外なほど一重まぶたのモデルが起用されています。日本人特有の顔つきに、もっと自信を持つべきだと思います。
「一重も個性であり魅力」と子どもに伝えることが重要
――子どもが「二重になりたい」と悩んでいたら、親はどう声をかければよいですか?
外見に関する価値観は時代や文化で変わります。「一重も個性であり魅力である」と子どもに伝えることが重要です。
そして、一重か二重かに関わらず、日頃からお子さんを褒めることが大切です。しかも外見だけではなく、性格や努力、得意なことなど、内面的な魅力や特技を認めて伝えてあげてください。そうした積み重ねが、お子さんの自己肯定感を育てます。自己肯定感が高まれば、外見のコンプレックスも自然と和らぎ、前向きに自分を受け止められるようになるはずです。
美の基準は一つではありません。子どもが外見に不安を抱いたときこそ、親が個性の価値を伝えてあげるチャンスかもしれません。