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肩こり、腰痛、メンタル不調……心身のトラブルは「猫背」から

澤田大筰(巣鴨総合治療院・整骨院グループ総院長)

2016年09月26日 公開 2023年09月12日 更新

 

肩甲骨を寄せて、大きく手を振りながら歩こう

 筋力がなければ姿勢は維持できません。猫背を治すには腹筋と背筋のトレーニングも重要です。とはいえ、本格的な体幹トレーニングをするとなるとハードルが高いでしょう。それならば、歩き方に気をつけるだけで十分です。

 歩くときのポイントは、胸を張ること。肩甲骨を寄せる感じで胸を張ると、自然に骨盤も立つのがわかるはず。座っているときと同じ、正しい背骨のカーブができます。このまま歩くだけで背筋が鍛えられ、同時に腹筋のトレーニングにもなります。

 さらに、歩くときにしっかりと手を振ることで、いっそうトレーニング効果を高めることができます。通勤や外回りといった日常生活の中で、猫背を治すのに必要な筋肉をつけられるのです。

 日常生活にこのトレーニングを組み込むために、可能なら、普段持ち歩くカバンをリュックサックにしてみましょう。自然に胸を張ることができ、腕も振りやすいからです。手提げカバンにもリュックサックにもなるものなら、ビジネスシーンでも違和感がないでしょう。リュックサックが使えない場合でも、重い荷物は左右の手に分散させるようにして、大きなモーションで手を振れるようにしてください。

 この歩き方も筋トレの一種ですから、最初のうちは疲れるはず。だからこそ、意識的に継続することで効果が上がるのです。

 このように座り方と歩き方に気をつけるだけでも、猫背は改善され、正しい姿勢が身につきます。この効果は、肩こりや腰痛などの改善に留まらず、疲れにくい身体を作り、前向きなメンタルをもたらし、さらにはダイエット効果、仕事への集中力向上にもつながります。疲れたときや落ち込んだときこそ、胸を張って骨盤を立てることを意識していただきたいと思います。

 

《取材・構成:川端隆人 ILLUSTRATION:勝山英幸》
《『THE21』2016年7月号より》

著者紹介

澤田大筰(さわだ・だいさく)

巣鴨総合治療院・整骨院総院長

1979年生まれ。日本大学中退後、大相撲時津風部屋を経て、東京衣料専門学校卒業(柔道整復師)、法政大学大学院修士課程修了(MBA)。現在、東京医科歯科大学大学院修士課程在学中。プロゴルファー、プロ野球選手、大相撲の力士など、一流スポーツ選手への施術経験を有し、スポーツ界、経済界、政界、芸能界に多くの患者を持つ。これまでに施術した人数はのべ10万人以上。

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