自分の「泣きのツボ」を知り、1週間に1回、涙を流そう
2020年02月18日 公開 2023年08月17日 更新
「泣き言セラピー」でチームの関係改善も
現在、私たちは、サッポロビールやベネッセコーポレーションなどの大手企業を含め、年間80社を超える企業で涙活セミナーを開催しています。
ビジネスパーソンの間で「涙活」が注目を集めたきっかけの一つに、国が導入した「ストレスチェック制度」があります。2015年12月以降、50人以上の労働者がいる事業所では、毎年1回、ストレスチェックをすることが義務化されました。
高ストレスと判断されると、希望すれば医師の面接指導を受けられますが、それ以外の従業員のことも考えた企業が、予防の意味も込めて、涙活セミナーを採用しているようです。
企業で行なうセミナーで好評なのが、「泣き言セラピー」です。涙の形に切った紙にストレスを書くという単純なワークですが、書くことで頭の中が整理され、自分のストレス状況を知ることにつながります。
また、匿名で書いてもらい、それを皆の前で私が代読することで、「自分の思いを皆に知ってもらえてスッキリした」「上司にも悩みがあることがわかって、接し方が変わった」という変化が生じて、チームや個人のパフォーマンスが上がったという報告もいただいています。
また、学校だけでなく、職場でも「いじめ」が問題になっていますが、いじめる側といじめられる側が同じ空間で涙を流すことで、問題が解消されたという事例もあります。
涙を流すことは、組織にも良い影響をおよぼすのです。
《取材・構成:池口洋司》
《『THE21』2020年2月号より》