「落ちこぼれ会社員」が退職して見つけた、自分だけの居場所
2021年11月09日 公開 2024年12月16日 更新
就活やキャリアアップのために行うことの多い「自己分析」。その分析で出た自分の強みを、仕事などに活かせている人はどれほどいるのだろうか。また、自己分析をしても弱みばかり思い浮かんでしまう人もいる。
起業プロデューサーとして数々のクライアントの売り上げアップを支援してきた田中祐一氏は、自分の強みも弱みも、環境によって価値が大きく変わると語る。強みは絶対的なものではなく、"相対的なもの"であるというが一体どういうことなのか。
※本稿は、田中祐一著『書くだけであなたの「強み」が見つかるノート』(SBクリエイティブ)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
強みは「絶対的」ではなく「相対的」
僕は起業してからこれまでに500人以上の人をコンサルしてきました。ビジネス面での実績が一番わかりやすいのですが、コンサル生の売上を累計50億円以上伸ばしてきました。そんな経歴もあって、活躍する人、活躍しない人の違いは自然と見えてきます。
その経験からいえるのは、自分の一点モノの強みで勝負している人は全体で見るとそんなに多くない、という事実です。
世の中で一般的に「強み」といわれているものは「専門性」と言い換えることができます。絶対的な専門性で勝負できる人は、目立ちますが少ないのです。好きなことで生きていく、という人たちもここに入ります。
僕はこういった人たちを「カリスマ型」と呼んでいます。
自分だけが持つ「強み」を磨き、好きなこと、やりたいことがはっきりしている。そして、狙った分野で非凡な才能を発揮している。こんなふうに自分の武器をわかって使いこなしている人は、それで突き進んでしまうのがよいのです。
僕は、そこまで自分の信念を貫ける「カリスマ型」の人と一緒に働く機会があるのですが、好きなことや意見がはっきりしていて羨ましいなぁと感じます。
けれども、世の中に生きる僕を含めた大多数の人は、普通の人です。好きなことや得意なことをズバッと見つけられない。自分を表現するのもあまり得意ではない。好きなことはあるけど、それで食っていけるほど情熱的にのめり込んでいるわけではない。仕事は、やれといわれたらできるけど、抜きん出るようなことは特にない。
僕は、こういった人たちを「サポーター型」と呼んでいます。
「サポーター型」が一点モノの専門性を武器に戦っていくのは、あまりに厳しすぎます。どの世界にも上には上がいるからです。
サポーター型にはサポーター型の生きる道があります。特定の分野で突出したレベルを目指すのではなく、状況に合わせてフィットしていくという道です。
そこで必要なのが、強みに対する考え方の大転換です。
サポーター型にとって、「強みは絶対的なものである」というのはただの思い込みです。強みは絶対的なものではなく、相対的なものです。
自分が得意としているスキルも、発揮する相手や周りの環境しだいで価値は大きく変動します。人事異動があれば変わりますし、転職をしても変わります。