語り(ナレーション)とキャラクター(セリフ)の区別、切り替えをはっきりさせる
絵本を上手に読み聞かせするためのコツ、次のキーワードは「切り替え」です。語り(ナレーション)とは、絵本の場面の進行に応じて場面の外から解説を加える「声」のことです。
多くの絵本は表現の違いはあっても、この語り部分とキャラクターのセリフを組み合わせて構成されています。深水さんはこう続けます。「語り部分は聞く相手に直接語りかけ、セリフ部分はそのキャラクターになりきり、その目線と心情で演じます。
語りは、物語をその場で感じながら臨場感をもって声にしつつ、聞く人に親しみを込めて伝えます」──ここまで聞いて、あることに気づきませんか? 子どもたちにダイレクトに響く読み聞かせは、実はアニメに似ているのです。
語りとキャラクターのセリフをはっきりと切り替えること、そこに意識を集中して読み聞かせをしてみると、キャラクターたちがみるみる際立ってくるので、子どもたちはどんどんお話に引き込まれていきます。
恥ずかしがらずに思い切りが肝心! キャラクターになりきって声を出す
絵本を上手に読み聞かせするためのコツ、最後のキーワードは「思い切り」です。これって簡単なようでいて、実は一番難しいポイントかもしれません。
深水さんいわく「絵本のキャラクターは、老若男女、色んな動物や架空のものなどさまざまありますが、それぞれの声色を使い分け、セリフの気持ちを大事にして、キャラクターになりきることを心がけます」。
そうです!読み聞かせをしているあなた自身が、声優あるいは俳優にでもなったつもりで恥を捨ててキャラクターを演じるのです。
最初は照れもあるでしょう。でも「どうせ聞いているのは我が子のみ」と割り切って、だまされたと思って自分史上最高のテンションでためしに読み聞かせしてあげてみてください。
これまで絵本にあまり興味を示していなかった子も、きっと目を輝かせて食い入るように反応してくれると思います。深水さんは「この絵本には6ぴきのカエルくんが出てきますが今回は一つの声色を使いました。
皆さんも、自分の想像するカエルくんの声を出してみてくださいね。私は、のんびりとしたゲコゲコと鳴くイメージの声を使いました」とも教えてくれました。絵本ごとにさまざまなアレンジができそうですね。皆さんもお持ちの絵本に登場するキャラクターになりきって、今晩から早速読み聞かせにトライしてみませんか?