本の要約サービスCEOが読んだ「2022年の名著3選」
2023年01月07日 公開
ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスするこの連載。
今回は、「フライヤーCEO・大賀康史の選ぶ2022年の良かった本3選」を発表。本の要約サービスの運営を通じて毎月多くの書籍に触れる大賀氏の選りすぐりの3冊をご紹介します。
誰を選び、抜擢するか...秘伝の技術を紹介
『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野壮彦著、フォレスト出版)
2022年は人的資本経営、リスキリングなどの人材に関わるトピックが話題となった一年ではなかったでしょうか。経営に関わる重要課題は、事業、資金、人・組織だと言われていて、その中でも最も深淵で正解がわからない領域が人・組織です。
誰を採用して誰を抜擢するのかという問題は、ほとんどが自己流で対処しがちですが、実は普遍的な方法論があります。グローバルのトップマネジメントを選ぶ仕事に10年間従事した著者の秘伝の技術は革新的で、同じ悩みを抱える経営者の課題に道を示してくれます。組織の運営をする人はまず手もとにおいておくと良い一冊だと思います。
新しい1年にエネルギーをもたらす一冊
『終止符のない人生』(反田恭平著、幻冬舎)
20世紀を代表する物理学者のアルベルト・アインシュタインの言葉に、「すべての宗教とアートとサイエンスは同じ一本の木から分かれた枝である」というものがあります。音楽は感性に直接訴えて、人生に彩りを与えてくれる存在です。
著者は世界三大コンクールの1つ、ショパン国際ピアノコンクールで2位を獲得しています。実は破天荒で、新たな音楽ビジネスを次々と追求する姿からは、新しい一年に向かうエネルギーをもらえるはずです。
YouTubeにコンクールの公式動画が上げられていますので、予選から本選の演奏を聴きながら本書を読んでみてはいかがでしょうか。熱の込められた筆致により没入感があって、思わず一気読みをしてしまう作品です。
日常から離れ、美しい現代思想の世界へ
『現代思想入門』(千葉雅也著、講談社)
哲学を扱う本としては異例の10万部を超えている本書は、書店でも見かけることが多いのではないでしょうか。古代や中世の哲学はなじみがあっても、現代思想は特に難解な印象があるかもしれません。
そんな人こそ、『現代思想入門』に触れてみると良いでしょう。カントなどの他の思想との接続点が網の目のように構成されていて、ものごとを解像度高く見ることによる一段高いレベルの理解に優しくいざなってくれます。慌ただしい日常から離れ、美しい現代思想の世界にふけるにはぴったりの傑作です。
新年、気持ちを新たに本との出会いを楽しんでいただければ幸いです。上記の書籍はすべて本の要約サービスflierで要約を配信しているので、そちらも合わせてチェックしてみてください。