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逃げ恥のセリフ「気持ちを因数分解した」が問題解決の理にかなっているワケ

深沢真太郎(ビジネス数学教育家)

2023年02月20日 公開 2023年03月23日 更新

 

人は悩んだとき、数学を使って解決している

私たちは難しい問題に直面したとき、どうしたらよいか困ります。ですが、それを解決するためにどうにか頭を動かし、その対象を分析しようと試みます。

そんなときにあなたを助けてくれるかもしれない思考法が「分解」です。それは分析するという行為において、支柱と言っても過言ではないでしょう。

私の大好きな言葉をひとつご紹介します。

「難しい問題は小さく分けて考えなさい」

これはルネ・デカルトというフランス生まれの哲学者の言葉であり、デカルトは数学者としても大きな功績を残しています(このことからも、数学は難しい問題を解決するためのヒントを教えてくれる学問だと言えます)。

人は悩んだとき、数学を使ってそれを解決しているのです。

最後に余談を。

2016年に放送されたテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)をご存知でしょうか。女優の新垣結衣さんが主演のコメディタッチのラブストーリーであり、一世を風靡したと言っても過言ではないほどの人気を得たドラマでした。

この物語の中で、新垣結衣さん演じる主人公の森山みくりは恋に悩み、自分の気持ちに向き合う局面に遭遇します。そして彼女は電話で最愛の男性にこう伝えます。

「わたし、自分の気持ちを因数分解してみたんです」

たまたまこのシーンを観ていた私は、中年男性にもかかわらず心がキュンとしてしまいました。ただしラブストーリーにではなく、この表現にです。

おそらくこの主人公は自分の心(気持ち)を分析したのでしょう。わからなかったものをはっきりさせるために。「分析する」の定義を思い出してください。

「問題解決を目的とし、考える対象についてはっきりさせること」でした。そしてそれは、分解することです。人は難しい問題に直面したとき、数学を使って解決します。本稿の内容をたった1行で表現したこのセリフに、私は一人感動していました。

あなたも、この森山みくりと同じことをしてみませんか。

 

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