1. PHPオンライン
  2. 生き方
  3. 離婚して貯金ゼロ...転職に成功するも「6畳ワンルーム生活」を選ぶ理由

生き方

離婚して貯金ゼロ...転職に成功するも「6畳ワンルーム生活」を選ぶ理由

ミニマリストゆみにゃん(ミニマリスト)

2023年06月05日 公開 2024年12月16日 更新

もともとは片づけが苦手で、家中にモノがあふれていたという人気YouTuberのミニマリストゆみにゃん氏。モノを手放し、身軽になったことで、自分の時間がグンと増えたという。(取材・構成:鈴木裕子)

※本稿は、『THE21』2023年7月号特集「『時間がない!』から抜け出せない本当の理由」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

離婚&引っ越しを機にミニマリストに

今でこそ「ミニマリスト」を名乗っていますが、かつての私は「モノが増えていくのは当たり前」と思っていました。

実家暮らしのときは、4畳半の自分の部屋に、勉強机とテレビラック、ドレッサー、テーブル代わりのコタツ、ソファーなどを置いていましたし、クローゼットは200着以上の服でパンパン。収納が苦手で、中に入り切らない洋服やバッグなどが部屋中にあふれていました。

「これは決していい状態ではない」と心のどこかで思っていたんでしょうね。「断捨離」がブームになったときに私もやってみようと思って、人生で初めてモノを手放す経験をしました。毎週末、70リットルの大きなゴミ袋を片手に、3袋くらいずつ処分していきました。やってみると、これが楽しくて、ストレス発散になりました。

ただ、モノが増えていく状況は変わらず、その後、結婚して家を買ったこともあり、再びモノが増えていきました。

しかし、ほどなく結婚生活が破綻。貯金がゼロになり、ほとんど身ひとつで家を出ていくことに...。必然的にモノを手放す必要に迫られて、持っているモノの量が激減しました。

さらに、離婚後、一人で力強く生きていこうと転職を決意して、年収がアップしたことも転機になりました。嬉しくなって、リビングがそれまでの約2倍の広さ、13畳ある部屋に引っ越したんです。でも、実際に住んでみると、ひとり暮らしには広すぎるし、家賃が結構かかります。

「私には広い部屋は必要ない」ということがわかり、すぐに半分の6畳ワンルームの部屋に引っ越しました。そのタイミングで、一気にミニマリストへの道を加速させ、現在に至るというわけです。

 

モノを手放すメリット 3選

モノを手放して、必要最小限のモノで小さく暮らすことのメリットはいくつもあります。ここでは3つご紹介します。

1. モノがすぐに見つかる

家にモノが少ないと、「見つからない」「選べない」ということが激減します。例えば、忙しい朝に「家の鍵どこに置いたっけ...」と焦ったり、「今日の服、どれにしようか...」と悩んだりして、疲弊することがなくなります。

何かを探したり、選んだりすること自体が、限りある脳のメモリを消費して、精神的な負担になってしまうんです。家にモノが少ないと、どこにモノがあるのかを把握できて、探す手間や時間から解放されるので、心に余裕が持てます。

2. 体がすごくラク

出張や旅行のときも、モノが少ないとラクです。階段の上り下りが本当にラクだし、重いキャリーバッグを引きずる必要もありません。荷物の出し入れも簡単です。持っていくモノを少なくして身軽でいれば、必要以上にエネルギーを消耗せずにすむので、仕事や旅行など、本来の旅の目的に全力投球できます。

3.「自分軸」が明確になる

そして、私が最大のメリットと感じているのは、自分の思考が整理されて、判断力が身につくことです。「これは、今の自分に本当に必要なモノなのか」が瞬時に判断できるようになります。

これまで私が服やブランド品を買っていたことを振り返ってみると、その理由は「人からおしゃれと思われたい」という見栄だったように思います。

つまり、当時の私が何かを買う基準は「人の目」で、本当に好きかどうか、自分に必要かどうか、ではなかったんです。それでは、モノは増えても心は満たされません。他人と自分を比べて「もっと、もっと」となって、でも、収入には限りがあるので物欲のままにすべてを手に入れられず、落ち込むことを繰り返していました。

私が運営するユーチューブチャンネルにも、当時の私と同じような悩みを抱えている視聴者の方がいます。特に、バブル景気の恩恵を受けていた50代以上の方に多いんです。

かつて、「人にすごいと思われたい」などと考えて、背伸びをして高級車や高級時計を買った経験はありませんか?

それは、「私のモノのほうが、あなたのよりもいいですよ」と言いながら、殴り合いの喧嘩をしているような状態です。その戦いに終わりはなく、いつまでたっても心は満たされません。

さすがに、今もそのような喧嘩をし続けている人は少ないと思いますが、それでもモノを選ぶ基準が「人の目」や「高級かどうか」のままの人も多いのではないでしょうか。

これから先、定年退職を迎えたら、モノをめぐって誰かと競ったり、自慢したりする機会はなくなります。高級時計を身につけていても、うらやましがってくれる人はいません。さびしいですよね。

モノを手放すことによって思考が整理されてくると、モノ選びに限らず「自分にとって何が大切か」が明確になります。

次のページ
相手にNOと伝えて自分の時間を増やす

著者紹介

ミニマリストゆみにゃん(みにまりすと・ゆみにゃん)

ミニマリスト

大学卒業後、大手ゲームメーカーに入社。その後、結婚するもマイホーム購入直後に離婚して貯金ゼロになる。そこからミニマリストに目覚め、空いた時間でYouTubeに挑戦。ミニマルライフを活かした節約術、時短術、お金の増やし方などを発信し、チャンネル登録者数は12万人を超える。著書に『ミニマリストゆみにゃんのお金のつくりかた』(すばる舎)などがある。

関連記事

アクセスランキングRanking