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暑中見舞いを送れるのはいつ? 「二十四節気」で取り戻す生活のメリハリ

山下景子(文筆家)

2023年07月05日 公開

 

「小暑」2023/7/7~7/22

●季節の象徴的なもの:初蝉

小暑は、暑さが小さいと書きますが、これは次に続く大暑に比べるとましだというだけで、実際は日に日に暑さが増してくる時期です。例年、梅雨明けの便りが届くのもこのころになります。そろそろ蟬も鳴き出すことでしょう。その年に初めて聞く蟬の声を初蟬といいます。本格的な夏の到来を感じさせる声ですね。

小暑と大暑をあわせた約30日間を暑中といいます。初蟬を耳にしたら、誰かに暑中見舞いなど書いてみましょうか。

 

「大暑」2023/7/23~8/7

●季節の象徴的なもの:入道雲

大暑という文字どおり、最も暑さの厳しい時期を迎えます。立秋の前の18日間が夏の土用ですから、大暑の期間は土用とも重なります。江戸時代には土用の丑の日に、鰻を食べたり、桃の葉を浮かべた丑湯に入ったりする風習も生まれました。学校では夏休みも始まります。

空には夏の象徴のような入道雲。近年は危険を伴うほどの猛暑になることも多く、注意が必要ですが、暑さに負けずに素敵な夏の思い出を作りたいものですね。

 

「立秋」2023/8/8~8/22

●季節の象徴的なもの:秋知草(あきしりぐさ)

まだまだ暑い日が続くころですが、暦はもう秋を告げます。立秋を過ぎてからの暑さは「残暑」と呼ぶならわしです。暑中見舞いも残暑見舞いに変わります。

じつは、『万葉集』の秋の七草の歌は、旧暦7月7日に詠まれたともいわれます。今の暦に直せば立秋の時期です。たしかに、萩をはじめ撫子や女郎花なども咲いているころ。特に萩は、秋知草とも呼ばれました。萩がいち早く秋の到来を告げているかもしれません。

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