1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 「捨ててうまくいく人・失敗する人の違い」片づけているのにすっきりしない理由

くらし

「捨ててうまくいく人・失敗する人の違い」片づけているのにすっきりしない理由

おさめ ますよ(収納ライター)

2025年08月27日 公開

「捨ててうまくいく人・失敗する人の違い」片づけているのにすっきりしない理由

定期的にモノを捨てているはずなのに片づかない......そんなモヤモヤの原因は、上手な「捨て方」を知らないことにあります。収納ライターのおさめ ますよさんが解説してくれます。

※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年9月号より内容を抜粋・編集したものです

 

場所よりもアイテム整理がうまくいく

「よし、今日は捨て日だ。物を整理しよう!」と思ったとき、どこから手をつけますか?

「ここをやろう」と場所から入る人が多いのではないでしょうか。私も汚部屋暮らしだった頃は、真っ先に押し入れを整理していました。得体の知れないものが詰まっていそうで、寝ても覚めてもモヤモヤ......。

人は、ふだん気になっている場所から片づけたくなるもの。でもそれが危険なことだと知ったのは、片づけられるようになってからです。

あの頃の私は、押し入れの扉を開け、すき間に突っ込んだ贈答品のタオルの箱などを引っ張り出していました。余白が生まれるとすっきりし、「捨て」に拍車がかかります。途中でアルバムを見つけ、「この写真、懐かしい......」と感傷に浸っているうちにタイムアップ。慌てて入れ戻し、「ちょっとは減ったかな」と満足する自分がいます。

後日、洗面所の収納庫を見て愕然としました。ごちゃごちゃのタオルの束をひとつひとつ見ていくと色褪せたものやループのほどけたものばかり......。

しかも、バスタオルはほんの数枚しかないじゃないですか!押し入れのタオルはすでに処分してしまったので、後の祭りです。

物は、家のあちこちに点在しています。まず家じゅうのタオルを一箇所に集めてから、整理を始めるべきでした。「ここをやろう」より「〇〇〇をやろう」。アイテムで考えると、このような「捨て」による「しくじり」を回避できます。

 

片づけスイッチ作動中は整理しない

片づけスイッチが入ったときも、よくしくじりました。捨てる気満々で、いわゆる「捨てハイ」(捨てることで気分が高揚し、幸福感を得る)になっているので、何かと理由を見つけて捨てようとします。捨てるとすっきりし、捨てられる自分を褒めてあげたい気分にも。そんなとき、私の場合は好き嫌いを優先しがちで、物の状態や必要数を冷静に判断できなくなっています。

食器棚にぎゅうぎゅうに詰まった食器を「好みじゃないから」と捨て、後で「お客さまにお出しする羊羹を盛るお皿が足りない!」「スイカ用のガラスのフルーツ皿はどこ?」と大慌て。以来、片づけスイッチが入ったときに整理するのはヤメました。

なかでも使用頻度の低いもの、オフシーズンのものは記憶に乏しく「使っていない」と勘違いし、捨てがちです。一年に数回しか登場しない大皿や花瓶を捨てて後悔したことがあります。

タオルケットや電気毛布も使わないから......と捨てて買い直したことも。寝具や衣類など季節で入れ替えるものは、翌シーズンの始まりではなく、今シーズンの終わりに整理するのがおすすめです。

また、古い雑誌、思い出の品、アルバムなど、買い戻せないものや手に入らないものなども、慎重に判断したいものです。

今から思えば、当時の私は捨てることが目的になっていたのだと思います。すっきりしたい、モヤモヤとさよならしたい......。けれど「捨て」を繰り返しても、部屋は片づかず、一年中物を探していました。靴下の片一方が見つからなかったり、鍵が行方不明で遅刻しそうになったり......。場当たり的に物を捨てても、快適な暮らしは手に入らないのです。

そんな私が片づけられるようになったのは、自分の暮らしに必要な量を知ってから。「要・不要」「使う・使わない」の判断が苦手だったので、「段ボール箱整理法(物をすべて段ボール箱に入れ、使うときに物を取り出す)」を実践するうちに、自然に必要量が判明。結果的に物がごっそり減り、暮らしが回るようになりました。

その成功体験から小さなストレスに敏感になり、物の数を意識する暮らしに。「捨て」による「しくじり」がなくなったのです。

 

目的を紙に書いて貼ると失敗しない

仕事柄、かつての私のように捨ててしくじる人をたくさん見てきました。「捨てたい理由はなんですか?」と質問すると、「家をすっきりさせたい」「物を減らしたい」「モデルルームのような部屋で暮らしたい」という答えが返ってきます。

一方で、上手に捨てる人は「時短料理を叶えたい」「登校準備をしやすく」などと小さな目的を持っています。暮らしの不具合を解するための「捨て」であることがわかります。

「捨て」による「しくじり」を防ぐには、具体的な目的を持つことがひとつのヒントになります。捨てることは手段にすぎず、目的ではありません。

私は今、老親とともに実家の片づけに取り組んでいますが、冒頭の押し入れ整理のように、目的を忘れて寄り道をしてしまうことがあります。

それを防ぐために、作業中は整理する目的を書いた紙を壁に貼っています。たとえば「毎日の着替えをしやすくする」「電気鍋が使いやすい調理台にする」「ヘルパーさんが掃除道具を見つけやすい収納」などなど。

必要なときは、手順も紙に書き出して掲示します。「集める→分ける→選ぶ・捨てる→配置決め→入れ戻す→ラベリング」といった具合です。生活しながらの片づけは、作業に充てる時間が限られているので、時間の配分にも役立ちます。

これらの工夫で、必要な物の数を知り、「捨て」によるしくじりを防止。今では、上手な「捨て」が暮らしの助けになることを実感しています。

【おさめ ますよ】
汚部屋出身の収納ライター。雑誌や書籍で片づけ企画を多数担当。現在はシニアの片づけやアルバム整理に取り組んでいる。著書に『ざんねんな収納』(パイ インターナショナル)他。
Instagram @osamemasuyo

関連記事

アクセスランキングRanking

$(function(){ var imageCount = 1; // image 総数 var page_url = '/article/12828'; var showLink = true; });