失敗しない単身赴任マニュアル <夕食の裏ワザ編 >
2013年02月26日 公開 2022年12月08日 更新
単身赴任生活は、誰にも文句をいわれない自分だけの部屋をもつという滅多にないチャンスです。ここを拠点に、いままで自分がやりたかった「夢」を実現できる可能性が生まれたのです。
このチャンスを見逃す手はありません。これを活かすためには、どうやって可能なかぎり忙しい会社勤めの生活をやりくりし、自分の自由時間を稼ぎ出すかが勝負になります。
[夕食] 短時間で晩飯を済ませたいなら、このレシピ
単身赴任者の帰宅時間は、夜の遅い時間帯になりがちです。理由は、彼らが働き盛りの脂の乗った人材だということと、部屋に早く帰りたい楽しい理由があまりないことです。そのためつい会社でだらだら残業して、部屋に着くのは夜の10時ごろになる単身赴任者のために、節約もできる「あっという間につくれる晩飯」のレシピを考案しました。
(1)「なぞ丼」
丼にご飯をよそいます。冷やご飯の場合は、電子レンジで熱くしておきます。丼の熱いご飯の上に、干し小エビ、天かす、あるいは揚げ玉、すりゴマ、乾燥きざみネギを万遍なく載せ、「めんつゆ」をかけたら、湯または水道水をその上から好きなだけ注ぎ、七味唐辛子をふりかけて完成です。目をつぶって食べると、ほのかに天丼の味がします。
(2)「焼きそば風やきそば」
キャベツを小さく切って皿に載せ、電子レンジで3分間チンすると柔らかくなります。その柔らかくなったキャベツの上に、茹で焼きそば麺、ベーコンを載せて、オリーブオイルかサラダ油をかけ、再度電子レンジで2分間チンして取り出し、ソースをかけて刻み紅生姜を載せて完成です。焼きそばを電子レンジでつくる方法ですが「焼きそば風」と名づけた理由は、焼きそばに「味が似ている」からです。
(3)「チンハムソース」
スーパーで、ハムの切り落としを安く大量に買った日に行う、特別な料理です。スライスしてあるハムを20枚くらい皿の上に積んだら、そのまま電子レンジで3分間ほどチンして取り出し、その上からウスターソースをかけて完成です。この料理の味はかなり美味で、これだけでご飯2杯は食べられます。
(4)「レトルト八宝菜揚げそば」
スーパーで揚げそば、もしくは皿うどんと、レトルトの八宝菜を買います。揚げそばの包装には粉末のあんかけの素が入っていますが、これは使いません。揚げてあるパリパリ麺を皿に出し、その上にレトルト八宝菜を流し込めば完成です。加熱する必要もなく、かなり美味しくいただけます。超短時間でつくれて食べられ、しかも材料は長期保存できますから、部屋に常備しておきたい一品です。
もっと短時間で晩飯を済ませたい人のための「原料食い」
それらを買い、調理しないでそのまま食べるのが「原料食い」です。晩飯時間を大幅に短縮することができ、忙しい単身赴任者にとって絶好な晩飯スタイルです。
「原料食い」食材の候補は、チーズ、納豆、ハム、ソーセージ、サラミ、ベーコン、タラコにすじこ、牛乳、ヨーグルト、食パン、コンビーフ、野菜と果物、漬物、豆腐、かまぼこ、ちくわ、うどんの麺、レトルトカレー、真空パックのシューマイ、レトルト八宝菜、揚げ麺、チキンラーメン、生たまご、厚揚げなどです。
きっとまだまだあるでしょう。調理済みだけど、ふつうはそのまま食べずにもう1回調理するための食材です。
「原料食い」のやり方はこうです。
会社を終わって駅からの帰り道に、「今日はアレとアレを食べてやろう」と考えながら夜道を歩きます。帰ったらすぐに冷蔵庫から目的の食材を取り出してシンクの横に並べ、片端から包装を外しては次々と食べ、ゴミは横のゴミ箱へ捨てるという食べ方なのです。こうすることで、晩飯はとてもスピーディーに終わらせることができます。
単身赴任生活を長くやっていると、部屋でとる食事は速く済めば済むほどよいことが分かってきます。詳しい理由は後述しますが、単身赴任者の1人の食事は楽しめません。まったく空しいです。だったら食事という概念を捨て、「明日のための栄養摂取作業だ」と発想を変えれば「原料食い」も不思議ではありません。もしそうして満足感が得られないなら量を少し増やすことです。これでちゃんと食べた気分になれます。
「原料食い」をするとき皿には滅多に食材を出しませんが、もし皿に出すならスーパーで袋詰めする場所に置いてあるロールになった薄いポリエチレンの袋を数枚もらってきて、その袋のなかに皿を入れ、袋の上から食材を盛ると皿が汚れません。終わったら袋を外してゴミ箱へ捨てれば片付け終了です。
単身赴任の夕食は速く済ませ、くつろぎの寝酒に時間をかける
単身赴任生活が侘しい理由はいくつもありますが、1人で食べる夕食はそのなかでもダントツに侘しさが漂います。自宅通勤の時代には、たとえ帰りが遅くても妻の手作り夕食が待っていてくれるのに、単身赴任生活が始まったとたんに夕食の膳が侘しい雰囲気に早変わりします。自分のほかに誰もいない部屋で、ちゃぶ台の上に並んだ自作料理と醤油の瓶の寂しい光景は想像以上です。ですから、明日のための栄養摂取はキッチンで立ったまま、ごく短時間に済ませてしまい、その代わりにくつろげる寝酒タイムにゆっくり時間をかけるほうが、単身赴任者の精神衛生上好ましいです。
1人の夕食は侘しく感じても、なぜか寝酒とつまみの組み合わせが登場する一日のゴールデンタイムになると、雰囲気がガラッと変わって楽しくなります。テレビを見たり、お気に入りの音楽を聴きながら考えごとをしたりしていると、寝るまでの1時間があっという間に過ぎ去るような、一日のうちで最高の時間帯なのです。
この奇妙な現象が起きる原因は、自宅で生活しているころから、寝酒の時間は自分1人で楽しんでいたからにほかなりません。つまり、もともと1人で過ごしていた時間は、単身赴任生活になったら、より強化され、より自由で楽しい時間帯になったということのようです。
夜遅く帰宅して “寝酒ゴールデンタイム”を多くとるには、次のようにします。帰宅したらすぐに洗面所で手を洗い、横のバスタブにお湯を入れはじめます。バスタブに湯が張り終わるまでに8分間かかるので、その間に前述した「なぞ丼」や「原料食い」などを駆使して、5分間で胃袋に食料を入れてしまいます。次の2分間で食器を洗い、残る1分間で服を脱ぎ、湯船に飛び込んで腰を下ろし、初めてここで帰宅後の休憩をします。帰宅後すぐに部屋で休憩すると、時間をロスして寝酒タイムが少なくなるから駄目です。
湯船のなかで体を洗い、シャワーで体を流し、ついでにタオルで湯船をこすれば風呂掃除もそれで終わります。入浴時間は全部で20分なので、帰宅後30分で寝酒ゴールデンタイムの準備を完了させることが可能です。
ポイントは、バスタブに湯を張りながら晩飯を喉に通すことです。これで時間に目標がつくれるから能率が上がり、早く晩飯を終わらせることができるのです。
<本書では、上記をはじめ部屋選び、引越し、危機管理から日常のこまごまとした生活・家事まで「役に立つ単身赴任の裏ワザ100項目」を紹介しています。ぜひ手にとってご覧ください>
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