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「反対です」と言われてイラッとしたら? 成果を出す人が考えること

河田真誠 (質問家)

2026年10月06日 公開

反対意見にイラッとしたり、「自分のやり方が正しい」と執着したりしていませんか?実はその思考の固定化こそが、失敗の始まりです。感情的にならず、絶好調の裏にある危機やヒントを察知する秘訣は「ある質問」にありました。成果を出す人の視点の変え方を明かします。

※本稿は、河田真誠著『質問の魔力「よい質問」がすべてを解決する』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「反対意見」からヒットを生む視点の切り替え

「その意見はおかしい!」「私はその意見に反対です!」
打ち合わせをしていると、相手がこんな反応をすることがあります。

相手の意見に対して、こちらも感情的に反応してしまうと、そこから言い争いになったりして、打ち合わせが変な方向に向かっていってしまいます。反対意見に感情的に反応するのは避けたいところです。

もし、自分の意見に対して反対意見が出た場合、こちらはどう対応したらよいでしょうか。
「反対意見のここがおかしい」という対応ではなく、視点を変えて一度自分の頭の中でこう考えてみてください。

反対意見のよいところはどこだろう?

議論の勝ち負けが大切であれば、この質問は不要かもしれません。でも、議論や打ち合わせをする目的は、たいていの場合は「よい成果を出すこと、よい結果につなげること」のはずです。
であれば、反対意見への反応も変えたほうが賢明です。どちらが正しいかではなく、互いのよいところを認めて取り入れていくことが、よい結果につながります。

例えば、トヨタの有名な「カイゼン」。これは製造の現場で「ここが不便」「この工程はムダ」という反対意見や異論を積極的に集め生産性向上につなげる考え方です。
小さな反対意見を丁寧に吸い上げて、それをシステム化したことが成功の要因だったわけです。

スターバックスの人気商品「フラペチーノ」は、開発・導入当時、CEOだったハワード・シュルツから反対・懸念の声があがりました。

理由は、「スターバックスはコーヒーの会社であり、フラペチーノのような甘い飲み物はブランドの本質から外れるのではないか」というものでした。
でも、社員の提案・テストをきっかけに発売したところ、ご存じのようにブランドを代表する人気商品になりました。

また、ダイソンのサイクロン掃除機も、周囲からの反対意見が多い中、紙パックなし、中のゴミが見えるという画期的なアイデアを採用して大成功を収めました。

当初はサイクロンのように紙パックがない掃除機は売れない、吸い取ったゴミをわざわざ見たい人はいないなどと言われていました。

反対意見や非常識を排除するのではなく、受け止め、そこからヒットした商品はほかにもたくさんあります。

反対意見はいってみればそれまでの「固定観念」です。それを突き破ることが大きな成果につながる可能性があるのです。

そのきっかけが、反対意見の吸い上げです。

こうしたときに、「視点を変える質問」が使えます。
もし反対意見に感情的になりそうになったら、一息ついて、自分の頭の中でこう自問します。

「反対意見のよいところはどこだろう?」「嫌いの中に好きな部分はないだろうか?」
よい質問とは「目的につながる質問」です。
反対意見の中にある「よい部分」を見逃さないためにも、ぜひ「視点を変える質問」を活用してください。

 

「俺の時代は...」と言わないための老害化を防ぐ質問術

「成功は失敗の始まり」という言葉があります。
変化が激しい時代、成功が長く続かないことも多く、うまくいっていると思っていた仕事が、気が付いたら失敗に向かっているなんてこともよくあります。

なぜ「成功は失敗の始まり」なのか? その理由は、視点の固定化にあります。
人はうまくいっているときは、「同じやり方を続ければいい」と思いがちです。そしてうまくいっているので、何か違う新しいことをしようと考えてしまいがちです。
もちろん新しいことに挑戦することが悪いわけではありません。ただ、往々にしてあるのは、新しいことに挑戦し始めると、これまでうまくいっていたことがうまくいかなくなり始めるということです。

原因は明確です。
一見うまくいっているように見えても、実はいろいろなことが変化しています。同じやり方を続けるだけでは通用しなくなっていることが多々あるのです。
成功しているとき、うまくいっているときは油断も生まれやすいタイミングです。
スティーブ・ジョブズが毎日自分に向かって質問を続けたように、うまくいっているときこそ視点を変える質問です。改善のポイントや、ほころびのきっかけをこの質問で見つけていってください。
「成功しているけど、何か課題は発生していないか?」

老害と呼ばれる人がいます。老害の人というのは、言いかえれば「過去の成功体験に縛られている人」です。
「俺の時代はこうやるのが常識だった」「こうやるべきだ」
「べき」という言葉が出てきたら、その人は「視点が凝り固まっている」と判断して間違いありません。僕はそういう人のことを「べきスト」と呼んでいます。
もし「べきスト」になりたくなければ、視点を変えることです。「視点を変える質問」を使えば、硬くなった頭を柔らかくすることにも役立ちます。

うまくいっているときについつい見逃してしまう「変化の兆し」や「課題の発生」に視点を向けていく。そこで質問の力が大活躍してくれます。

「目の前のことで何か課題は発生していないか?」
「(見える変化、見えない変化ともに)何か変化はないか?」
「よりよくするためにできることはないか?」

例えば、自分の担当する商品の売れ行きがよいとき。
「売れている!」と安心している裏で、ライバル社があなたの担当商品を超える販売促進を考えているでしょう。また、ユーザーは徐々にあなたの担当商品に飽き始めていて違う商品に鞍替えしようと思っているかもしれません。

そういった兆しをキャッチし、次の一手を早く打つために、質問を活用するのです。

著者紹介

河田真誠(かわだ・しんせい)

質問家

質問だけで経営、マネジメント、キャリアアップをはじめとしたビジネスにまつわるあらゆる問題を解決し、理想の未来に導いていく質問の専門家。一方的に知識や技術を教えるのではなく、質問をすることで自らの内側にある答えを引き出していくスタイルが分かりやすく、実践的であると評判を呼ぶ。
コンサルタントや研修講師として、メーカー、ホテル、飲食店、エステ、アパレル、製造業など、多種多様な業界・業種の業績アップ、業務改善に貢献。そのほかにも、働き方、夢の叶え方、生き方などの講演やイベントを通じて、延べ10万人以上の人生に影響を与えてきた。高野山での僧侶との出会いをきっかけに仏教を学び、自身も仏門に入る。自身が考案した質問のノウハウを広めるべく、質問を使ったコンサルタントの育成や、起業家支援、ビジネスモデルのプロデュースにも力を入れている。
主な著書に『君を一生ささえる「自信」をつくる本』(アスコム)、『売らずに売れる技術』(ワン・パブリッシング)、『革新的な会社の質問力』(日経BP)、『人生、このままでいいの?』(CEメディアハウス)などがある。

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