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女性のための老子<1>「上善は水の若し」

早島妙聴(一般財団法人日本タオイズム協会理事長/道家<道>学院副学長)

2015年07月10日 公開 2024年12月16日 更新

PHPスペシャル2015年6月号より》

 

<今月のTAOの言葉>

上善は水の若し

 

 

女性必読の書『老子』

 『老子』とは、紀元前4〜6世紀頃に書かれた中国の哲学書です。とても古い書物ですが、そこに説かれている「道」TAOの哲学は、宇宙や自然を観察する中で発見された真理ですから、現代の私たちが読んでも、驚くほど新鮮です。そしてまた、女性や赤ん坊、水といった、しなやかな存在にこそ、人間本来の幸せな生き方がある、と教えているのですから、女性の力が社会に必要とされている現代にはぴったりの哲学だと言えます。女性が自分本来の持つ特性のすばらしさに気づき、生かすことによって幸せな人生を手にいれる、女性必読の書が『老子』なのです。

 

女性よ、水のように美しく

 女性と水は、とても性質が似ています。水は上から下へと自然にさらさらと流れ、流れることによって清らかになり、また抵抗することなくどんな器にいれても、その形に調和してしまいます。人間も動物も植物も、水がなければ生きてゆけないように、水はすべての生命を生かし、育んでいるのに、それを誇ることもなく、すべてのものと争うことをしないのです。結婚して夫と新たな家庭をつくり、新たな命を生み育て、そしてまた、仕事も家庭も笑顔で頑張り、柔軟に生き抜く女性の姿は、水の生き方そのものと言えるのではないでしょうか。もし毎日の生活で私たち女性が、本来持っている水のような柔軟さに気付いて、それを大切にして生かしたら、もっと人生が楽しく自由に輝いてくることでしょう。女性たちよ、水に学び、水のように柔軟に美しくなりましょう。

 

<著者紹介>

早島妙聴
(​はやしま・みょうちょう)

東京都生まれ。一般財団法人日本タオイズム協会理事長・道家<道>学院 副学長。お年寄りから子供まで、わかりやすいタオイズムを伝え、健康で幸せな人生に活かすタオイズムの真髄を伝えている。

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